キャラクター・ストーリー考察

Aqours第2回センターポジション総選挙で1位に輝いた松浦果南の魅力

本日、Aqours第2回センターポジション総選挙の結果が発表され、松浦果南が1位に輝きました。第1回の9位から一気に8人ごぼう抜き。9位と1位を両方獲得したのは南ことり以来です。

第1回と第2回の間にあったのはTVアニメで、これが投票に大きな影響を与えたのは想像に難くありません。今回は、アニメから見る果南の魅力に迫ります。

 

頑固さゆえの一途さ

アニメ初回放送から、「スクールアイドル」と距離を置こうとする雰囲気を醸し出していた果南。誰にどう誘われようとスクールアイドルはやらないと突っぱねてきたのは、すべて大切な友達―小原鞠莉のためでした。

鞠莉が持つ無限の可能性を潰したくないと思っているのは、高校1年生のときも高校3年生の今も一緒。果南は3年間、鞠莉を大切に思う気持ちを抱え続けていたのです。

驚くべきは、大事にしていた鞠莉からキツい言葉を投げかけられても、感情的に返さなかったところ。いえ、もしかするとカッとなったのかもしれませんが、きちんとそれを抑制した言葉を返しています。晴れの舞台、東京のステージで歌わなかったことを含めて、ものすごい精神力です。

もっとも、この強靭なメンタリティが時には“頑固オヤジ”となり、周囲を困らせることも。スクールアイドルをやらない本当の理由を訊かれても頑なに答えない様は、実際に目の前にすると鞠莉のように「本当に腹立つよね、コイツ!」(英語交じりが抜けて本気でコイツ呼ばわりする鞠莉がかわいい)となりそうなものですが、見ている分には何だか可愛らしいものです。そんな子が、踊っている姿を見られて顔を真っ赤にしているのも、また。

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一途さの向こうにある優しさ

頑固さや一途さというものは、ある思いを貫くためにあるものです。この「ある思い」が、その人の本質を示しています。果南が貫こうとした思いは、友達を大切にしたいという気持ち。彼女の本質は、海のように広く豊かな心なのです。

「ラブライブ!サンシャイン!!」を見ていると、3年生が三者三様の優しさを持っていることに気がつきます。あれだけスクールアイドルから距離を置こうとしていた果南も、鞠莉や黒澤ダイヤとは違う形で後輩の心配をしていました。

ちらちらと見せていた優しさをはっきりと見せつけられたのは、9話の鞠莉とのシーン。果南の頬を叩いた鞠莉が「果南も」とばかりに自分の頬を差し出すと、果南は引っ叩く代わりに両手を広げて鞠莉を受け入れようとしました。

やりたいコミュニケーションは2人とも同じ。その表現方法に、各々の濃いパーソナリティが表れています。引っ叩かれたら引っ叩き返したくなるのが人情ですが、類まれなるメンタリティを持つ果南は、ここでも自分のやり方を見失いません。不器用ながらに必死で思いを伝えようとする鞠莉を、その胸で受け止める。これが、果南流。幼いころも、1年生のときも3年生の今も、果南はいつだってこの距離で気持ちを伝えようとするのです。

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目立たない目立ちぶり

Aqoursのメンバーはベクトルの違いこそあれ、強烈な個性を持つ人が多数存在します。その中で果南は、少し引いた位置にいる印象を受けます。しかも狙ってそこにいるのではなく、ごく自然に。

おそらく他の人が動き回って彼女が動かないからこうなると思うのですが、こういうタイプは却って目立つんですよね。そして何だか気になって、いつの間にか惹かれている。クラスにもそんな人、いませんでしたか?

こういうパーソナリティが表れやすいのが、お祭り騒ぎのシーン。「ラブライブ!サンシャイン!!」で言えば10話ですね。ダイヤや鞠莉ほどテンションが上がっているわけではありませんが、海の家の復興やスクールアイドルの練習をきちんとこなして、楽しんでいるのが印象的でした。

このエピソードで、「シャイ煮」「堕天使の涙」に対して果南が言った「ちょっと興味あるね」の一言がとても好きです。中心じゃないけど輪に入っている、ちょっとお姉さんな感じでみんなを見ている果南のポジショニングの妙が詰まった一言です。

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結論

自分のことを語りたがらないけどたまにムキになっちゃう優しいお姉さん超いいよね

松浦果南という女の子は、ルックスや言動に大きな特徴があるわけではなく、パッと見では掴みにくい子です。一見すると中庸なタイプでありながら、しかしきちんと見ていくと、口下手で頑固な職人気質と大らかな優しさを兼ね備えていることがわかります。これが合わさって、友達をずっと大切にできる魅力的な女の子が生まれる。

松浦果南は、そういう子なのです。

POSTED COMMENT

  1. 拓ちゃん より:

    私も昨日、Aqours第2回センターポジション総選挙の結果を見た途端、小躍りして喜びました。
    本当におめでとう、果南ちゃん!

    一途だけど頑固、頑固だけど母なる海のように広く深く優しい。
    その上で様々ポテンシャルも高いと来ている。
    そんな、果南ちゃんの魅力を再検証できました。ありがとうございます。
    特に「目立たない目立ちぶり」は言われてみると確かにそうですね。
    ストンと腑に落ちました。

    正直、最初G’s Magazineで紹介された時は、曜と結構被っている印象もあったのですが、
    さっぱりフランク系のお姉さんタイプという感じで、活発に活動しようとする二人を
    「しょうがないなぁ」的な感じで後押ししていくような彼女を夢想してました。

    しかしアニメでは、千歌や曜の仲良しお姉さんの立ち位置を残しながら、
    全く違うベクトルでのアプローチを、果南を始めとする“3年ズ”に託したのは、
    μ’sにおける2年生組の幼馴染トリオに対するオマージュもあるのかな、
    と思ったんです。

    無印1期で穂乃果はことりを繋ぎ止めましたが、サンシャインで果南達は鞠莉を送り出すことを選びました。
    これ、どちらが正しいとも言えないですけど、どちらも重要だったのは、
    思っていることは伝えようとしなければ、伝わらないということ。
    結果は物語の中で昇華されるものですので、今我々が知っている顛末が全てなのですが、
    今回の3年ズのストーリーを辛い選択の上に創れたのは、果南という『頑固で優しい娘』が
    いてくれたからなのかもしれませんね。

    先ほど、3年ズが穂乃果達幼馴染3人組のオマージュかもと書きましたが、
    印象的には、果南が海未、鞠莉が穂乃果、ダイヤがことりのポジションかな、と思っています。
    異論反論あるでしょうが、まぁ、個人の妄想の範疇ということでw

    • ばかいぬ より:

      >拓ちゃんさん
      いつもお読みいただき、ありがとうございます!
      果南の魅力を再確認する材料になれて、うれしいです(*´∀`*)

      果南たちの件もことりの件も、おっしゃるとおり「言わなきゃ伝わらない」で、
      これってスクールアイドルに通ずる「やらなきゃ始まらない」と同じなんだなぁと、
      拓ちゃんさんのコメントを読んで思いました。

      13話でも語られましたが、Aqoursの3年生は優しさを頑固さで通す果南と、
      それに絶対負けまいとする、同じくらい強情な鞠莉、そして2人とずっとつながっていた
      ダイヤのおかげで今がありますね。そう考えると、μ’s2年生のオマージュというのもわかる気がします。

      • 拓ちゃん より:

        オマージュの件、なんとなくでもわかっていただき感謝ですw

        コメントした後も、果南ちゃんの1位獲得に関してあれこれ考えてて、
        若干メタな視線も含みつつ思ったことを書かせていただきたく。

        第1回と第2回の間には、確かにTVアニメがあり、
        その1シーズン放送終了直後での投票結果ですから、大きな影響があったのは確かです。

        しかしながら前回の第1回は、1stシングルの「君ここ」が出て、
        自己紹介のボイスとG’sの記事、後はビジュアルのみという限られた情報の中で
        行われたもので、中の人を含めたキャラクターのパーソナリティを
        ある程度知ってからの投票は今回が初めてという状況。

        ここで、中の人である“すわわ”こと諏訪ななかさんも、ニコ生やラジオ、イベント等を通して
        ばかいぬさんが仰るところの「目立たない目立ちぶり」が際立っている方だなぁ…と思いまして。
        そんなところもキャラとシンクロしているのか、キャラがそちらに寄ったのか、
        いずれにしても演者である諏訪ななかさんの良さも、果南には色濃く投影されているなぁ、
        と思った次第です。

        これは何も果南ちゃん(=諏訪ななかさん)に限ったことではなく、Aqoursのメンバー
        それぞれで同じように各演者の匂いがキャラからも感じられる。
        『ラブライブ!』という作品にはこの感覚が非常に重要で、だからこその2.5次元の魅力へ
        繋がっているように思えます。
        他作品の色にあまり染まっていない演者が多いから…というのも一因にありそうですが。

        そんな中で、今回1位を獲得した果南ちゃんの1番のアピールポイントは、
        個人的には「恋アク」の♪あい・ら・びゅー…だったと思ってますw
        他にも1/11の初披露時で見事に炸裂した『AQOURS HEROS』の♪は・や・く!の
        ハイトーンボイスで魅了されました。
        結構印象的なフレーズをソロで歌う場面が多いと感じているのは、
        私が贔屓しているからなのかもしれませんが、そういう要所で締める役割が振られていて、
        まさにAqoursの中での果南の立ち位置がそうなのかもしれません。

        ……こちらの作品考察からは大分外れた、単なるファンの思いの丈を書きなぐって
        しまった感じになり大変恐縮ではありますが、ご容赦いただければ幸いです。

        • ばかいぬ より:

          >拓ちゃんさん
          色々と語りたくて仕方がないという感じがひしひしと伝わってきました!w

          正直、声優さんたちはあまりチェックできておらず、インタビューを読んだり
          スクフェスのイベントを取材した際に目にするくらいなのですが、
          それでも拓ちゃんさんの書かれた諏訪ななかさん評には大きく首肯します。
          立ちふるまいというか、雰囲気が果南っぽいですよね。

          本当に、μ’sの頃からキャストとスクールアイドルたちを不思議と容易に重ねることができて、
          その親和性がプロジェクトのキモになっているのは間違いないですね。

          友人にも、果南の歌声にやられたという人は多いです!
          あい・ら・びゅーは僕も好きですね、そんなかわいい歌い方もできるのかと驚きましたw
          誰がどこをどう歌っているのかにも注目すると、「ラブライブ!」楽曲はより楽しめますね。

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