先日Twitterでこんなご質問をいただきました。
@bakainu こんにちは!いつもブログ読ませていただいています😄突然の質問すいません。ばかいぬさんは梨子の書いた曲名が「海に還るもの」なのは「誰、そしてどのような事」を指していると思われますか?私の中で納得のいく考えが生まれない為お知恵を貸していただければと思います…
— 鍋さん (@amashokuamama) October 27, 2016
おもしろい着眼点! 確かに、何かしらの意味を考えると興味深いポイントです。ということで、思考をめぐらせてみました。ちょっとした考えのお遊びみたいな感じで読んでいただければと思います。
ちょっとした考えのお遊びで――というのも、考察って意味をもたせようとすれば、どんなところにでも意味をもたせられるものなんですね。微に入り細に入り、どんどん考えをめぐらせていける。そこが楽しくもあり、同時に危なくもあります。作り手の考えから離れすぎてしまうことがあるからです。
今回の質問は非常におもしろいのですが、僕が出した結論はちょっと大げさすぎた気がして、こう書いた次第です。念のため申し上げますと、決して鍋さんのことを悪く言っているわけではありませんよ! ではでは少しだけ、考えを波に委ねてみましょう。
行く人、来る人
桜内梨子がなぜ「海に還るもの」というタイトルを付けたかは、正直わかりません。なぜ海をモチーフにしたのか、何を表現しようとして作曲したのか、まったく語られていないからです。
ですので、この子を内側からではなく、少しだけ外側から見てみましょう。僕はやはり「海に還るもの」は梨子のことを指しているのではないかと思います。
梨子は当初、東京からの転校生として描かれていました。ピアノの発表会で「海に還るもの」を弾くことができなかった梨子は、何でもいいからこの曲のイメージをつかみたいと、海の町・内浦にやってきます。
この描き方からして、「何かを得るためにやってきた→何かをつかんだら東京に帰っていく」と感じるのが自然です。こうはっきりと言語にせずとも、アニメシリーズ序盤で梨子に対して「東京からやってきた人」という感覚をうっすら抱いていた人は多いのではないでしょうか。
その後、梨子はこの町で一緒に輝こうとする仲間を得て、内浦という土地に馴染んでいきます。スクールアイドルとしてステージに立ち、練習を重ね、Aqoursの一員としてこの町の魅力を見つけていくのです。しかして梨子は、Aqoursのメンバーとの日々を送り、高海千歌の後押しもあって、「海に還るもの」を披露できるまでになりました。
もう一度コンクールの舞台に立ち、「海に還るもの」を奏でるために東京へ行くことにした梨子。同じ日にラブライブ予備予選を戦う千歌から、次は一緒にステージに立とうと声をかけられたると、「もちろん!」と答え、力強く一歩を踏み出していきます。彼女はピアノを弾くために東京へ「行き」、今度はみんなでステージに立つためにAqoursの元へ「帰る」。東京から転校し、Aqoursとして毎日を過ごす中で、内浦は、Aqoursの仲間たちがいる場所は、梨子にとって“ホーム”になりました。
自分に聞いたの、どっちが大切なのか。すぐ答えは出た。今の私の居場所は、ここなんだって。
見事リベンジを果たした梨子は、みんなの元に、みんながいる海に帰ってきました。そう、「海に還るもの」とは、桜内梨子だったのです。
先生こんにちは!いつも楽しませてもらってます!遊びに来ました!!
僕も放送当時、「海に還るものは梨子自身」と考えていました。
そして会場でピアノを引くことが出来なかった梨子を見て、「海に還る」=「ピアノと向き合う」
とも解釈していました。
(2話で、下は暗くて上は明るい海の中は、天井が力強く光るピアノコンクールの会場と重ねた演出のようなものがあったので…)
「″海に還るもの″を演奏することができる」=「大好きだったピアノと向き合うことができる」なのかな、と漠然と想像してるうちにあの10~12話でヒャッホウ!(笑)
僕がぼんやりと思っていたのは、梨子にとってのイメージは「海=ピアノ」のようなもので、Aqoursが輝きを求めて行動する果てに行き着く″場所″として「海」が多かったのは、「キラキラ」した「楽しむ」という概念が「海」として描写されていたのかなぁ、と感じました!
そして「海」という場所を持ったラブライブ!サンシャイン!!、本当に強いですよね(*´-`)
ふわふわしててなんだかよくわからない駄文ですいません( ;∀;)
そして先生の考察、物凄くスッキリする解釈で流石……!としか言えないです( ;∀;)( ;∀;)
これからも記事の方、楽しみにしています!
お邪魔しました!
>くにしろさん
こんにちは! いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ようこそ〜(*´∀`*)
ピアノが海そのものという切り口はかなりおもしろいですね!
音の波と書けば「音波」になりますが、音と水の相性ってすごく良いんです。
ピアノと海を重ねるのも的を射ていると思いますしし、イメージもしやすいです。
いずれにせよ「演奏できる=ピアノと向き合うことができるようになった」であることは確かですね。
間違いなくあのステージで、梨子はキラキラしていました。
お褒めの言葉をいただけて光栄です!
またブログが目に入った際には、ぜひ遊びに来てくださいまし〜!