まとめブログで、こんな書き込みを目にしました。
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 12:07:48.93 ID:VwOejL3K0
真姫のありがとうの後のシーンはハラショーやめてほしかったそこは普通に言ってほしかった
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 12:08:32.16 ID:gXhPHx7O0
>>15
それは私も同意です
あれはいらなかった
でもエリーは可愛い
好みもあるので、苗木君みたいに「それはちがうよ!」とは言えないのですが、僕は不自然には思わなかったため、ああこういう意見もあるのかと少し驚きました。
同時に、あそこで「ハラショー!」と言う理由も何かあるのではないかと考えたのです。
ありがとうの意味
10話の感想(「先輩禁止!」感想 または先輩禁止の意味と西木野真姫という人について)でも書きましたが、この合宿と「先輩禁止!」作戦は、先輩後輩の垣根を取っ払い、お互いをひとりの人間として認識する意味がありました。
この絵里の発案には、もちろん全員が取り組んだわけですが、メインターゲットは真姫だったと思うのです。
9人揃ったμ’sの中で、一番素直になれないのが真姫です。同学年の2人には「名前で呼んでよ」と(おそらくものすごい勇気を出して)お願いした真姫ですが、相手は真姫自身が放っておけなかった花陽と、花陽の取り合いでケンカした凛。2人と真姫との間には、名前で呼んでほしいと真姫が素直になる下地がありました。
そう、きっかけがあり、下地ができないと、なかなか距離を縮めることはできない。希の言う「面倒なタイプだなーって」とは、このこと。真姫と他のメンバーとの間にはきっかけがなかったのです。それを合宿の中で作り出そうとしたのが絵里だったのではないでしょうか。そして彼女はそのことを、当然希にも相談しているはずです。
かくして三年生2人による、真姫への密着マークが始まった!
絵里がプレス、希がカバーリングの基本フォーメーション。
道中もそれは変わらなかった様子。
ぴったりマンマーク。4話の花陽が家に来た時もそうでしたが、真姫はたまに何とも言えない表情をしますね。
買い出しの話で「別に、私ひとりで行ってくるからいいわよ」と一瞬フリーにさせるも……、
「たまにはいいやろ? こういう組み合わせも」と、希がすかさずカバー。
「……。」
さらには雑魚寝のシーン。真姫が半ば投げやりに「どこでもいいわ」と言ってしまったばかりに、
二人でしっかり挟み込む。
極めつけは枕投げの場面。希を起点に一度にこに当て、サイドを変えてボールを回し、折り返したところでゴールに押し込んだのが
絵里でした。
ちなみに、キャプチャが見つからず載せられなかったのですが、海未が練習メニューを発表するシーンでも、右端から真姫、希、絵里の順番で並んでいます。ご飯の時だって、真姫の隣は希。この徹底マークぶり!
大事なのは、誰かがそばにいることです。猫ちゃんな真姫は、とかくひとりになりたがります。海水浴場でビーチバレーでみんなが遊んでいるときも「私は別に」。花火をするか練習をするか話している時でも、「じゃあ、これ片付けたら私は寝るわね」。寝る場所を決める時も「どうして全員同じ部屋じゃなくちゃいけないの」。
しかしそこでひとりにしてはいけないのです。希の言葉を借りるならば、真姫は「本当はみんなと仲良くしたいのに、なかなか素直になれない」。この状態を、ひとりでは打開できない。ひとりで打開できない真姫をひとりにしては、壁はそびえ立つままです。
そこをずっと9人の輪の中につなぎとめていたのが、絵里と希でした。
この2人が適任だったと思います。凛と花陽では荷が重い。二年生3人では器用さに欠け、まっすぐ解決しようとしすぎてしまう。この「問題」をオープンにしてしまいそうです。にこでは、よしんば心を解したとしても、全体とブレンドさせるには至らない可能性があります。むしろ周囲に感付かれないように、にこは二年生や残りの一年生と騒いでもらっている方がいい。真姫は、絵里と希の「作戦」の対象であることそのものより、対象であることを周囲に知られる方が余程嫌でしょうから。
でも、忘れてはならないのが、絵里と希がこうしたのも「別に真姫ちゃんのためやないよ」。僕は、真姫だけのためじゃないよ、だと思っています。この9人の一人ひとりが大好き。そしてその大好きな9人が集まったμ’sに、絵里も希も強い思い入れがある。真姫だけではなく、μ’s全体を捉えてのことだから、成功したような気がします。
かくして、真姫は絵里や希の作ったきっかけを経て下地を得、みんなを名前で呼ぶようになります。最初に呼んだのが希というのも、いいシーンですよね。
最後に真姫の言った「ありがとう」の意味。これだけのきっかけを積み重ねてきた絵里たちに「放っておかないでくれてありがとう」「大事にしてくれてありがとう」ということだと僕は思います。このきっかけ作りはお膳立てと言ってもいいものですが、他人のお膳立てを素直に受け取れるようになったことも、合宿での真姫の成長ですね。
さて、ようやく本題です。真姫の「ありがとう」を受けて、絵里は「ハラショー」と返します。このチョイスの理由は何だったのでしょう。
ハラショーと返した理由
ハラショー。Wikipediaで引くと、「幅広く賞賛を表す感嘆語として用いられる」とあります。英語で言えば “Sure” “Good” といった感じでしょうか。
ちなみに、にこの「美容法」を目にした時もハラショーと言っていますが「口語では『了解』『分かった』くらいの意味にも使う」らしいので、あそこは日本語で言えば「そ、そう……」という具合だったと思います。
では件の場面で、日本語で返すとどうなるか。「いいのよ」「よかったわね」「どういたしまして」「よろしくね」……色々な言葉が考えられますが、日本語では明確な返事になってしまい、何をどう返しても「やってあげた感」が出てしまうのです。
それでは、先輩禁止の意味が無い。
ここは、真姫のお礼を流さずきちんと受け止めつつ、返さない。返さないというのがミソなのです。真姫の言葉を、真姫の存在をそのまま受け入れる。だから、「普通に言って」はいけなかった。むしろ、普通じゃない「ハラショー」でよかった。
絵里も希も、そしてにこやかに見守る他のメンバーも、誰も「絵里や希が真姫を変えた」とは考えていないでしょう。前述したとおり、彼女らが作ったのはあくまできっかけ。それを使って壁を壊したのは、他でもない真姫自身です。
自ら変わった真姫を、その変わった姿を勇気を出して見せてくれたあなたを、私たちは両手を広げて受け入れる。ハラショー、真姫。あなたは今ここにいるあなたでいいのよ。
初めてコメントさせていただきます。
1期、2期の感想・考察及び種々のイベントレポートなどどれも楽しく読ませてもらいました。
自分も昔から色々『考察』という名の『妄想』をしながら作品を楽しむ趣向があり、こちらのブログのコンテンツを2期が終わった今更ながらに発見し、2期ON AIRのリアルタイムに一緒に考察できたなら、どれだけ楽しかっただろうかと夢想した次第です。
それで、数あるエントリーの内、このエントリーにコメントさせていただいたのは、世の感想サイトでは「NG」と騒がれていたエピソードに対しても、基本─製作側の意図として必然であれば、全肯定でそのシチュエーションを受け容れ、それに至るための考察を全力で行なって楽しむ─という姿勢に、大いに共感したからなんです。
1期終盤のシリアス路線然り、2期6話のにこのキャラ崩壊の件然り、自分にとって「NG」と感じたものはありませんでした。
もちろん、2期13話(最終話とは絶対に言わない、書かない)ラストのドタバタから「Happy Maker」へのくだりにしても、「ラブライブ!」という作品が魅せてきたエンタテインメントの結実した姿だと、とっても“らしく”て大喝采でありました。
その中で、1期10話放送後にこの「ハラショー!」の用法に対する“否定的な意見”が出たことに、「何があかんの?」と私も当時眉を顰めていた一人でした。
ただ、それに対しこうまで明確に考察を展開してくれたことに対し、それこそ「ハラショー!」と手を叩いたワケです。
唯々、その想いを伝えるべく、コメントさせていただいた次第です。
どうもありがとうございました。
拓ちゃんさん
はじめまして、ばかいぬと申します。この度はコメントをいただき、ありがとうございました。
1期、2期の感想だけでなく、他の記事もお読みくださったとのこと、とてもうれしく思います。
また、考察のスタイル(と言うほど大げさなものではありませんが!)にもご共感いただき、大変ありがたく存じます。
僕はあまりメタ的なことを考えることはなく、あくまで作中人物の過ごした時間や気持ちに興味があるのです。
製作者が出してきたものは、作中の登場人物が実際に過ごした現実の最低限ですので、これを否定してしまうと、登場人物の人生で起きたことを否定することになってしまいます。
なので、一度シチュエーションを全肯定し、それを前提として、発した言葉や取った行動の理由をさぐるというのがやり方になっています。
今回、このようなうれしいお言葉をいただき、このやり方は間違っていなかったんだなぁと思えた次第です。
こちらこそ、ありがとうございました! また何か書くかと思いますが、機会がありましたらぜひご覧になっていただければ幸いです。
まだまだ『ラブライブ!』、一緒に楽しんでいきましょう(*´∀`*)
ばかいぬさん
返信ありがとうございます。
作品の考察って
心奪われるくらいに興味を持った相手のことは何でも知りたくなってしまう…
そして、理解を示して、全力で受け容れたいと請い願う『恋愛脳』の為せる技と考えていますw
広がる世界観の全てを目にして耳にして感じたい、と求めて已まない、そして感じたものを表現したくてたまらなくなる。
そういう衝動の下で、自分も考察に耽ることがままあります。
> 製作者が出してきたものは、作中の登場人物が実際に過ごした現実の最低限ですので
> これを否定してしまうと、登場人物の人生で起きたことを否定することになってしまいます。
“最低限”という部分は“氷山の一角”とも置き換えられるものかと思います。
そして、その水面下には途方もない様々な可能性が隠れているわけですから、それを知りたがることは、「一を聞いて十を知ろうとする」大それた話なのかもしれません。
でも、どうしたって「十」にはなり得ない。そう、全てにはなり得ない。
だとしても、その中で見ることのできている“氷山の一角”にきちんと繋がっているであろう『優しい仮説』を、私は望んで已まないのです。
で、自分でそれを知りたい、読みたいので、自分で考察して書いちゃうんですよね。
今、実は、真姫ちゃんと真姫ママの1期、2期を通しての情景の考察を自分の中で展開している最中です。
SIDやコミックではあまり良く言われていなかった真姫のパパママに関して、アニメでは(特に真姫ママ@CV井上喜久子さんが)積極的に応援していることに、その経緯について想像を膨らませたくなるのは致し方がないかと(笑)
まだ書き始めで、お見せできるものができるかどうかも怪しいですが、こつこつ書いていこうかと考えています。
拓ちゃんさん
作品に対する「恋愛脳」というのは、言い得て妙です!
好きだからこそ知りたいし、考えたいし、受け入れたいし、時にはモノ申したくなるのは、人に対しても作品に対しても同じですね。
氷山の一角というのもまさにその通り……というか、そちらの方が適した表現ですw
十を見せられていないのだから十にはしようがありません。十にできるのは製作者だけですから……。
でも、十に近づこうとすることはできる。しかも、十に近づくことができるのは、一を肯定した考え方だけじゃないかなと思っています。
真姫のご両親に対する考察は面白そうですね! 特にご尊父については、Sidではスクールアイドル活動に反対の立場でしたし、
アニメに至ってはまったく出番がなかったので、掘りがいがありそうです。
拝見できるのを楽しみにしています!(*゚∀゚)
楽しみにされてしまっているw
とにかくお見せできるよう努力しようと思いますww
考察文となるか、それを踏まえたSSとなるかまだまだ見えていないのですが(苦笑)
お近づきの徴に、pixivに唯一載せてる拙作をご紹介いたします。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3967030
ばかいぬさんにあつらえた感じののぞえりSSです。
おおおー! これはステキなのぞえり!
日常のさり気ない一幕を描がれたもの、大好きなんです(*´∀`*)
まさにおあつらえ向き……! ありがとうございました!
次回作も楽しみにしています♪
お気に召していただいたようで何よりです(^^)
さて、真姫ママか……
すみません。
ばかいぬさんから刺激を受けて、かなり嬉しくなってしまって、自分の話ばかりしてしまいました。
全肯定からの考察─
ラブライブ!は当然として、これに限らず、これからも楽しみにしています。
P.S.
「僕らはみんな河合荘」は春アニメで初めて見て、気に入ってたのですが、こちらのブログで述べられている魅力を再確認し、改めて気に入って良かったと思いました。
(上のコメントにも返信しております!)
いえいえ、お気になさらずですよ~。
ありがとうございます、他にも他愛のないこととか色々書いていますので、よろしければご覧になってみてください!
「河合荘」の記事もお読みくださったのですね、ありがとうございます!
アニメ化の話が出るずっと前に書いたもので、何を言ったか自分でも覚えていなかったのですが、
的外れなことを書いてなくてホッとしました……w