イベントレポート

「ラブライブ!」の原点にふれた「ラブライブ!フェス Day.1」レポート

「ラブライブ!」シリーズのスクールアイドルが初めて全員揃うイベント「ラブライブ!フェス」。これまで単独(作品)でライブを行ってきた本シリーズで、フェス形式でのライブは、これまた初めてのことです。

気になることはたくさんありました。どんなファン層がやってくるんだろう。どんな演出を見せてくれるんだろう。僕が今一番応援している虹ヶ咲スクールアイドル同好会の立ち位置は? そして、μ’sの4年ぶりのパフォーマンスは……。

これまでのライブは、開催時期や新曲を踏まえると、ある程度は予想も立てられました。が、今回はまったく予想がつかない。そこまでニッチな曲はやらないかな? というくらいです。その意味では、始まるまでの時間も楽しませてくれました。

虹ヶ咲の優しさを感じて

Aqours初披露となる「未体験HORIZON」で着火されたライブは、虹ヶ咲スクールアイドル同好会のステージから幕を開けます。

虹ヶ咲にとっては、これまでで一番大きな会場。緊張もしたかと思いますが、このとてつもなく広いステージを独り占めできるのも、ソロで活動する虹ヶ咲メンバーの特権かもしれません。

虹ヶ咲だけが披露したソロ曲は(残念ながら)1日目は4曲のみでしたが、みんな持ち味を発揮してくれました。上原歩夢役・大西亜玖璃さんは「夢への一歩」を披露。立場上、キーが高めの曲を1番だったりラストだったりに歌うので本当に大変だと想像しますが、そのぶんグッと応援したくなる一人。相変わらずダンスでの身体の使い方が本当に綺麗です。

2番手は天王寺璃奈役・田中ちえ美さんの「ドキピポ☆エモーション」。ポンポンを持った他のメンバーに応援される璃奈がまた可愛い。田中さんは毎回安定して高いパフォーマンスを見せてくれますね。

お次は近江彼方役・鬼頭明里さんの「眠れる森に行きたいな」。曲の力とご本人の魅力も相まって、一気にスローな空気に変える力はさいたまスーパーアリーナでも健在。この日唯一のゆったりした時間が楽しめました。

ソロ曲ラストは朝香果林役・久保田未夢さんの「Starlight」。ちょっぴり力んだ感はあったものの、いつも通りキレキレのダンスに惹き込まれた人も多かったのでは! 中央ステージがまさに独壇場となっていましたね。いつか三森すずこさんと共演してほしい。

9人では「TOKIMEKI Runners」「Love U my friends」を披露。9人が合わさったときの歌声って各グループの個性が出ると思っているのですが、虹ヶ咲9人の歌声はとっても優しいんですよね。この歌声が、僕は大好きです。

明日は残りの5人が各々の魅力を存分に発揮したライブを見せてくれるはず。50分ほどの出演でしたが、この時間もきっと、虹ヶ咲の物語に組み込まれたことでしょう。いつか、この会場で全員のソロ曲が一度に披露されることを楽しみにしています。

Aqoursのもたらす安心感

虹ヶ咲スクールアイドル同好会の次は、今をときめくAqours。まずはCYaRon!、AZALEA 、Guilty Kissのおなじみユニット3組が2曲ずつ披露しました。バックの映像はスクフェスACでしたでしょうか?

個人的にGuilty Kissの選曲が少し意外だったのですが、続くのがSaint Snowと知って納得。うまくバランスを取って雰囲気が被らないようにした良い選曲でしたね。

そのSaint Snowのパフォーマンスはすばらしいの一言。いきなり登場する難しさもあったと思うのですが、しっかり“SELF CONTROL!!”したゆえでしょうか、堂々としていました。MCの回し方も上手でしたね。

今日の3組では最も出演時間が長かったAqoursですが、やっぱり脂が乗っているだけあって、ひとつひとつのパフォーマンスに安心感を覚えさせてくれました。横浜アリーナでの1stライブを思い起こすと、感慨深いものがありますね。「君のこころは輝いてるかい?」は励まされる曲だなぁ……。

SSAスタジアムモードでの大きなLED画面3面展開でライブを見ると、2次元と3次元の融合という「ラブライブ!」の原点、そしてそのスゴさを、改めて実感します。特に虹ヶ咲メンバーのシンクロは完璧だったと思っているのですが、いちラブライブ!ファン、虹ヶ咲ファンとしてはとても誇らしいことです。

そのラブライブ!の原点は歌とダンスだけにあらず。虹ヶ咲スクールアイドル同好会でもAqoursでも、各曲PVやゲーム画面を出来うる限り模倣したカメラワークが印象的でした。裏方と呼ばれるポジションかもしれませんが、こうした細部へのこだわりが、「ラブライブ!」を「ラブライブ!」たらしめているのですね。

やっぱりμ’sが大好き

各スクールアイドルが登場する前に、9人を順番に紹介するムービーが流れるのですが、μ’sのときはこの時点で既に身体の奥底からこみ上げてくるものがありました。

僕は、2016年の「μ’s Final LoveLive!」で完全に一区切りをつけている人間です。あのライブのレポートをもって、μ’sでできること、μ’sのためにできることはやり切りました。だから、スクスタに登場することを初めて知ったときも、正直なんとも思わなかったのです。

やり切ったと思っているのは、今でも変わりません。でも、それでもやっぱり、今μ’sが楽しそうに歌っていることがとても幸せだなぁと思うのです。

少しでもみんなの近くに行くためか、ダンスもワンコーラスと大サビだけだったり、パフォーマンス色は控えめ。往年のパワーもさすがに出てこない様子です。しかしだからこそ、この時間がとても美しい。好きな人が時間を重ねた(老い、と言ってもいいでしょう)姿を見られることって、とても贅沢なことですよね。

久しぶりの自己紹介、久しぶりに聞く曲。このやり取り楽しかったなぁ、このPVのここが好きだったなぁと呼び起こされる感情。僕にとっての、「ラブライブ!」の原点です。μ’sを応援してきて、この日もう一度彼女たちに会った皆さんも、きっとそれぞれの原点を感じたのではないでしょうか。これも、μ’sが与えてくれた宝物。μ’sのライブは、彼女たちが歩んだ物語の中に組み込まれたものだったから、思い出が色あせることなく残っています。それを掘り起こしてくれた時間でした。「Snow halation」で3枚の画面それぞれに旧PV、アニメ内の新PV、今の本人たちが映っているの最高でしたね!

3時間と少しのライブ。振り返ると、曲のテイストはさまざまなれど、やっぱりみんな「ラブライブ!」の曲だったなと感じます。そういう意味では、「ラブライブ!」の現在、過去、未来が詰まった特別な時間でした。明日もステキなライブになりますように!

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