はねバド!

TVアニメ「はねバド!」才能と向き合う青春を描き出すのは、こだわりの音響とカメラワーク、そして新たなストーリー表現

数ヶ月前に原作にハマった「はねバド!」が、7月1日(日)からアニメ化。本放送に先駆けて、第1話〜第3話の先行上映会に行ってきました。

あまりこういうのは行かない口なのですが、ティザームービーを見て「これは音へのこだわりがかなり強いのでは」と思ったのがきっかけ。それなら、上質な音響を味わえる環境で見るしかない! と思い立った次第です。

あらゆる「音」にこだわりを

こちらのムービーをご覧になっていただくと、音に対する力の入れようがわかるのではないでしょうか。実際、リッチな音環境で聞くSEの数々はとてもリアリティあふれるものでした。何でもシャトルが跳ねるSEは3つ4つの音を混ぜて作っているのだとか。シューズがコートをこする音、ラケットが風を切る音、一つ一つが丁寧に制作されています。今からサウンドバーを用意して備えたいくらいです。

アニメの音といえば、劇伴とOP/EDですよね。劇伴は前に出過ぎることなく、しかし存在感は確かに感じさせながら物語を盛り上げていました。多分、見続けているといくつか口ずさめるようになるのではないでしょうか。

先行上映会では、OP「ふたりの羽根」を歌うYURiAさん、ED「ハイステッパー」を歌う大原ゆい子さんが出演し、ワンコーラスながら各楽曲を披露しました。どちらも爽やかな楽曲で作品にぴったり。特にOP「ふたりの羽根」は、相手がいることで成り立つスポーツのココロをしなやかに歌い上げていて、作品の世界観を表現する「アニソン」としてすばらしい出来です。発売は8月15日とのこと。もっと早くフルで聴きたい……!

スピード感を最大限に表現するカメラワーク

スポーツを題材にしたアニメが目いっぱい楽しめるかどうかは、競技の臨場感を表現できるかにかかっています。特に展開の速い種目ならなおさら。「スラムダンク」がヒットしたのは、ストーリーもさることながら、アニメがバスケットボールのテンポをしっかり表現したからでもあると思うのです。

翻ってバドミントンはどうか。オリンピックで見たことがある方もいらっしゃるでしょう。競技として行うバドミントンは相当に速いです。このスピード感が、「はねバド!」ではしっかりと表現されています。

その肝となるのがカメラワーク。シャトルを打ち合う選手たちを、コートの外から、中から、寄りで、引きで、プレーヤー目線で、シャトル目線で、長回しで、細かく刻んで……変幻自在にアングルを変えながら、6.1m × 13.4mの世界を描き出しているのです。

僕自身は実際にバドミントンをプレーしたことはほとんどありませんので、どれだけ再現されているかは経験者の目利きに譲りたいと思います。ただ、見ていて思い切り迫力を感じたのは確か。実に個性的(マンガ的)なキャラクターの多い作品ですが、監督はこのアニメでリアリティも重視しているそうで、その一端が試合のシーンから垣間見ることができます。

原作を適切に再構築した見事なストーリー&キャラクター表現

とにかく今日一番驚いたのがここ。「はねバド!」は、キャラクターを通じたストーリー表現が本当に極上なんです。

主人公・羽咲綾乃を始めとしたキャラクターたちが、自分の中に存在する壁を一つ一つ打ち破って成長していく姿が、「はねバド!」最大の魅力。原作を読んでいる方は、それを存分に味わっているでしょう。

一方で、マンガという媒体ゆえに、フォーカスされるキャラクターが限られている側面もあります。綾乃はもちろん、荒垣なぎさ、コニー・クリステンセン、かろうじて泉理子……脇を固める子たちは、脇を固めるままになってしまうのですね。

それがアニメでは、脇役にもしっかりとした役割が振られています。例えば三浦のり子は、綾乃や藤沢エレナとの関係性が原作と変わっており、さらに濃ゆい味付けがなされています。その味付けが、まるでバタフライ効果のように第3話の本質(藤沢エレナの役割)につながっていくのです。

他にも、海老名悠を起点としてバドミントン部の空気を描くなど、原作を知っていると「えっ、そうやって表現するの!?」と驚くことが多々。でもそれは奇をてらったものではありません。むしろそう描かれることで、キャラクターたちの動機がわかりやすく表現される=物語を芯から堪能できるようになっています。持つ者と持たざる者、才能と向き合うこと、やりたいこと、さまざまな要素が詰まっていながら、それらをはっきりと読み取れるように描かれている。スゴいですよ。

アニメ「はねバド!」は、スポーツモノ好き、青春モノ好きには自信をもってオススメできる作品でした。願わくば、このクオリティで最後まで駆け抜けていってほしい。爽やかな夏に見るにはぴったりのタイトルです。そしてアニメが楽しめた方は原作もぜひぜひ。バドミントン版「スラムダンク」が味わえる、熱い良作ですよ。

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