考え方

「感謝」で感情を殺してはいけない

上司が嫌だ、業務がつらいと思いながらも、同僚や顧客が好きで続けてきた仕事。一緒にがんばっている仲間のために、自社のサービスを頼りにしているお客様のために、そして何より、自分の人生と生活のために続けてきました。

しかし、ある日の1on1ミーティングで、こう上司に言われます。

「君が何をやっているのかわからない」

こうして、辞めることを決意するのです。

これはあくまで例え話(「」内の言葉は実際に言われた言葉ですが、それ以外はフィクションです)。でも、こうしたシチュエーションはままあることだと思います。

まず、心を開く

嫌な気持ちにさせられると、当然ながらモヤモヤが残りますよね。人によっては、この感情にしばらくの間、苛まれてしまうこともある。「所詮、他人の言ったことだから」と割り切れたら良いのですが、僕を含め、そう簡単にいかない人もいるでしょう。自分でコントロールできないものに自分の感情が左右されてしまっています。

そんな時、まずは「心を開く」と言葉にしながら、白く光る扉が開くところをイメージします(ちょっと大げさですね)。まずは状況ごと受け入れて、コントローラブルなものにする。

すなわち、そこに自分らしい意味を与えるのです。

例えば、上司に“とどめの一言”を言われたことで「ああ、ここが辞めるタイミングだということなんだな」と考えるようにしたりとか。「いくら仲間やお客様が大事でも、やっぱり自分の人生の方が大切なんだ」と気づいたりとか。そんな具合に、自分が受け入れられる意味を自分で与えることで、コントロールできる事象にしてしまうんです(こじつけでも全然いいんですよ)。

ただ、そこに「感謝」を入れてしまうと、ちょっとだけやり過ぎかなと思います。

感情は必ず生まれるもの

嫌な気分になったけど、「でもこの出来事が私に●●を気づかせてくれた。感謝。」みたいな方、あるいはツイートみたいなもの、ちょくちょく見かけたりします。もちろん、本心ならまったく問題ありません。でも、「そう考えなきゃ」と少しでも思っているなら、「無理しないでいいんだよ」と伝えたいのです。

冒頭のケースでは、上司にあんなふうに言われたことで「なんだコノヤロウ」と思ったかもしれません。これは「感情」です。そして感情は、絶対に否定できないものなんです。

よく「感情を抑える」と言いますが、よしんば抑えられたとしても、感情が生まれるのを防ぐことはできません。抑えようとする時点で、感情は生まれています(生まれているから、抑えようとする)。だから、自分の感情は絶対に否定できません。生まないようにすることはできないのです。

なのに、そこで「感謝」まで意味を込めてしまうと、「なんだコノヤロウ」という感情を、感謝で押しつぶすことになってしまいます。せっかく「ここが辞めるタイミングってことだ」と意味を与えて自分を楽にしてあげたのに、また「感謝」で自分の感情を押し込め、傷つけてしまう。

「上司から嫌なことを言われた」という事象に与える意味は「ここが辞めるタイミング」で十分。そして「心を開く」と書きましたが、ぜひそれを「なんだコノヤロウ」と思った自分にもしてあげてほしいのです。

「なんだコノヤロウ」と思う自分を受け入れる。「そんなこと思っちゃダメだ」なんて考えないでほしい。コノヤロウって思ったっていいんです。感情は自分自身。そう思う自分が、今の自分なんですから。

そしてできれば、そんな自分を友達に話してみてください。できれば、笑い話にしちゃって。「こういうことがあったんだけど、『上司なら私の仕事をもっと見とれー!』って思わず叫びそうになったわ!w」みたいな具合です。そうすると、不思議と人が寄ってくるから。ちょっぴりワルな感情を抱く自分は、確かに完璧ではないかもしれません。でも、完璧じゃないからこそ、人は集まってくる。スキがあると、人は好きになるものですから。

POSTED COMMENT

  1. Mitori より:

    現在、カウンセリングや精神科での認知行動療法を受ける中で、絡みに絡まった自分の気持ちを少しずつ解く作業をしています。こんな暗い気持ちがあったのか…ってか、持ってていいのかこれ…っていう感情もあった。持ってていいらしいとわかったのはここ数年のこと、押し殺してたこれまでは…きっと痛かったと思う。
    嫌なことに直面した衝撃も、そこで感じた怒りや憎しみ、苦しみや妬みみたいなどす黒い感情も…全部自分のもの。その場でやり過ごすことだってできてないのに、「感謝」で綺麗なものにすることは…出来ないなー。もちろん、感謝は素晴らしいことです。でも…僕がやったらすごく痛む。嫌と思った相手や物事に対する「嫌な気持ち」とか「拒否反応」があるうちは少なくとも…。

    心を開く、閉めてた心の蓋を開ける…。まだまだ難しいなぁ

    • ばかいぬ より:

      >Mitoriさん

      おお、僕も同じく現在、心療内科で認知行動療法を行っています。同じですね!
      自分の感情と向き合うことって、なかなか難しいですよね。どす黒いものならなおさらだと思います。
      でも、Mitoriさんがそうして「持っていいらしい」「全部自分のもの」と思いながら向き合っているのは、
      少なくとも心の扉のノブに手をかけている状態じゃないかなと思います。

      本文でも書きましたが、感謝はしなくていいです。そして、嫌な気持ちを卑下することもありません。
      嫌な気持ちがわいたら、「こういうときに嫌な気持ちになるんだな」と受け止めちゃいましょう。データを取る感じで。
      大体、同じような感情は他の人も同じ様に抱くものですw
      こうしてただ受け止めることが、自分を大事にするってことじゃないかなぁと思います。

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