アニメ感想

葉月恋の光と影ー「ラブライブ!スーパースター!!」第7話考察

皆さんが“解答編”である第8話をとっくに見たあとにこれを書くのは、ちょっと試される感がありますね……とか書いて寝かせていた間にもう9話が放送されてしまいました。まだ8話すら見ていないのですが、「ラブライブ!の8話」ということで、とても楽しみです。

さて、7話は生徒会選挙のお話。今まで生徒会がなかったことにちょっとびっくりしましたが、この年から普通科が設立されたことを受けて新たに発足したのでしょうか。選挙を機に、葉月恋の内情が少しずつ明らかになります。

立候補を確認される理由

Aパートはコメディチックな描写が多かったですね。もう平安名すみれの独壇場(彼女は不本意だったと思いますが)という感じで、思わず声を出して笑ってしまいました。

ただ、その中でひときわ目立ったのは「本当に立候補するのですか?」という理事長の言葉。公職選挙法違反のたこ焼きを口にしていたとは思えないテンションです。

いち生徒が生徒会長に立候補することは、何ら不思議なことではありません。立候補者がいないよりはずっと良いですよね。なのに確認されるということは、理事長は恋のバックボーンや腹案、あるいは彼女の母の思いを知っているからだと推測されます。

恋は「普通科と音楽科が手を取り合い、ともに学園祭を盛り上げる」ことをマニフェストに掲げます。普通科の生徒たちもちゃんと気に留めていることをアピール。これが功を奏して生徒会長選挙を勝利しますが、就任演説で学園祭は音楽科を中心に行うことを宣言。当然、反発は必至です。それでも強行することを理事長はわかっていたでしょうし、わかっていたからこそ本当に立候補するのか訊いたのではないでしょうか。

となると、フォーカスされるのは恋の本意ですよね。

澁谷かのんは知りたい

振り返ると、1話から恋がスクールアイドルを毛嫌いするシーンは度々描かれてきたものの、その理由は未だ語られてはいません。澁谷かのんを筆頭にスクールアイドル部も、彼女がスクールアイドルを嫌うワケを知りたかったはず。今回、とうとう禁断の領域に足を踏み入れる時が来たようです。

紙パック飲料を片手に恋を誘うかのん。しかし、スクールアイドルを禁じようとする理由を聞かれても、恋にはとりつく島もありません。恋は二人の間にある橋を渡ろうとせず、その本心は隠されたまま。

嵐千砂都の目標になり、可可を魅了し、すみれのセンターを争うライバルとなる。本人の預かり知らぬ間に“アイドル”として時にメンバーを惹きつけ、時にメンバーに寄り添ってきたかのん。しかし、恋の牙城を崩すのはなかなか難しいようです。

早々に立ち去る恋。水面に彼女の姿が映ることはありません。

思うに、この5人は誰もが何かしら過去に対する執念を持っている。まー、人間誰でも過去に対する思いの一つや二つ持っているものですが、「ラブライブ!」の1年生は特にこういう描かれ方をしますね。「スーパースター!!」の恋も、すみれの執念をさらに焦げ茶色で塗り込んだようなモノを持っています。その執念が、朗らかであるはずの恋に“学園を守る生徒会長”の仮面をかぶせてしまう。

ならば、そのハリボテの裏側を暴いてみせようじゃないか、ということでスクールアイドル部の生徒会長尾行作戦がスタート。たどり着いたのは、住人が二人と一匹しかいない空虚な大豪邸です。

剥製のようで本物、人懐っこいけど怖がられる。チビの姿はご主人の生き写しのようです。

チビを巻き込むドタバタの末に行き着いたのは、古いアルバムとリアルを突きつけるお金のやり取り、そして学園存続の危機。

「ラブライブ!」名物・廃校がちらついたところで、普通科が新設されたことの裏付けもなされたのではないでしょうか。普通科は、音楽科の3倍の生徒数だといいます。音楽科が100人くらいいて、普通科が300人いればいいのですが、前者が20人、後者が60人だとすると大変です。よしんば廃校を免れたとしても、音楽科が続けられるかどうかはわからない。

母の面影を守るために

恋は生徒会長就任演説で「地域に根ざし、途切れることなく続いていく学校にするために」と話しています。唇をかみながら学園祭で音楽科を全面に押し出すことを決めたのは、母が青春を過ごし、母が残した学校を守るため。

恋の記憶に映る母は、まばゆく輝いていました。恋にとって母は、心から尊敬できる人間なのだと思います。推測ではありますが、音楽を愛し、音楽を愛する人を育てるための場所を作った人なのでしょう。その母の形見とも言える、音楽を愛する人たちのための学校、そして学校に残る面影や思い出を残し続けるために、恋は生徒会長になりました。

言うなれば、職権乱用とも言える行為です。清廉潔白な恋もそれは重々承知しているはず。一方で、これしか思いつかなかったというのが真面目な彼女の(今の)限界なのかもしれません。心の中にいつまでも灯る光を守るため、自らを黒く染めるしかなくなっているのです。

でも、自分の夢を叶え、学校をも救うことができることがあるのを、僕らは知っている。そこには、絶対に他人を一人にはさせまいとする一人の女の子がいる。清濁併せ呑んでしまうスクールアイドルという存在を、恋はどのように受け入れていくのでしょうか。

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