新曲「No brand girls」めっちゃよかったー! ギターを全面に出したロックナンバーいいですなー! さすがスター西木野や!
今回の作編曲は河田貴央さん。「ラブライブ!」曲では「after school NAVIGATORS」、そして「Wonderful Rush」も作編されています。他作品だとミルホが歌うヴァンガ曲「泣き虫TREASURES」とか、黒バスキャラソン「タイムマシーンがなくたって」を作られているんだとか。ギターがすごく印象的なナンバーが多いですね!
あと前回も書きましたが、衣装のカラーリングがとても好みなんです。あの緑がかったブラックにゴールドのラインがちょーカッコいい。リアルライブで着てくれないかなぁ。これを身にまとって雨の中ステージに立つ9人がめちゃくちゃカッコよかったです。
さて、今回はサブタイトルにもなった「最高のライブ」についてです。
最高のライブとは
最高のライブってなんでしょう。お客さんを楽しませること、笑顔にすること、全力を出し切ること。何ができたら、最高のライブと言えるのでしょうか。
3話「ファーストライブ」で、穂乃果はライブへの意気込みを海未に熱く語っていました。
「だって、絶対成功させたいんだもん。歌を作ってステップを覚えて、衣装を揃えて、ここまでずっとがんばってきたんだもん。3人でやってよかったって、がんばってきてよかったって、そう思いたいの!」
そして9話「ワンダーゾーン」で、海未はこう言っています。
「ことりと穂乃果は、私の一番のライバルですから」
μ’sの発起人であるこの3人は、常にお互いをちゃんと見ています。それは人数が増えても同様です。同じ歩調で、みんなが目標に向かって力を出せる場所にいる、それがμ’sの「最高のライブ」を繰り出す条件です。
μ’sを見ていると、「絶対的エース」という存在はいないように思います。確かにセンターは穂乃果で、加入以降取り仕切っているのは絵里、部長はにこですが、あくまで役割としての印象が強い。なんというか、9人揃ったときに最大限のパワーが発揮されるような感じを受けます。だから、足並みを揃える必要があり、お互いをきちんと見ている必要があります。
お互いを等身大のままに見ることを、「ことほのうみ」の3人はずっとやってきました。そして他のメンバーも同じようにするための一手として、前回の「先輩禁止」がありました。みんなが同じラインに立っていたのです。
ところが、今回そのラインが崩れた。しかも、スポーツ風に言えばμ’sの「センターライン」である2年生3人のところで崩れてしまったのです。
裏返った穂乃果の長所
初めてラブライブ出場圏内に入り、俄然盛り上がる穂乃果。他のスクールアイドルが追い上げようとするなか、本番直前に新曲を入れるなど、学園祭に向けて穂乃果たちもピッチを上げようとします。
新曲の追加を決定し、絵里に叱咤された穂乃果が「全力でがんばる!」と答えた直後、ことりは微かに唇を震わせます。あのエアメールは、恐らく何かしらの海外への誘い。悩むことりは仲間に打ち明けることができず、ひとりだけ「入る」ことができません。言えないことで停滞している間に、周りはどんどん前へ進んでいきます。迷いと焦りは、多分にあったでしょう。
こんな状態のことりにこそ、穂乃果が必要でした。穂乃果のリーダー性って、グイグイ進んで引っ張るというより、他人の背中を押したり、あるいは引っ張り上げたりするタイプだと思います。順境を加速させるのではなく、逆境をはね返すものです。今回も、大雨に気持ちが落ちかけたみんなに檄を飛ばし、前を向かせましたよね。そういう意味で、今のことりには、穂乃果が一番必要だったのです。
しかし穂乃果はことりの異変に気づけませんでした。ポスターのシーンで、意を決して告白しようとすることりに気づかず行ってしまい、海未との電話でも「大丈夫じゃないかな〜?」という調子。逆境をはね返すほどの力で前に進むあまり、周りが見えないほど前に進みすぎてしまいました。あまつさえ、自分さえも見えなくなってしまった結果、本番中に倒れるという事態になってしまいました。
やりたいことをやるやり方
「ラブライブ!」はずーっと「やりたいこと」について描いてきました。11話でも一度このフレーズが出てきていて、屋上の練習で穂乃果が熱くなりすぎているシーン。海未に「一言いってやってください」と言われたことりが、「私は、穂乃果ちゃんのやりたいようにやるのが一番だと思う」と返しています。
自分のことで精一杯なことりが、半ば心ここにあらずな具合に返した言葉ですが、自分の状況にも少し引っ掛けているようにも思えます。
「こんなチャンス、めったにないわよ」ということりママのセリフから、エアメールはことりの「やりたいこと」を叶える内容と推測できます。しかしそれを叶えるには、仲間の元から離れなければならない。μ’sの仲間たちのことを考えないわけにはいきません。
きっと、穂乃果にも同じことが言えます。今までずっと前向きに、「やりたい」という気持ちをもって、目標へ向かって一直線に進んできました。「いつもそうやってここまできたんだもんね、μ’sってグループは」と絵里も話していました。しかし今回それが通用しなかった。
酷い言葉を使いますが、「やりたい」だけでどんどん突き進んでしまうと、時にそれは「自分勝手」になってしまいます。「やりたいことをやる」って、そうじゃない。やりたいことをやるにも、きっとやり方があるんじゃないでしょうか。
今や9人になったμ’sが、チームとして「やりたいこと」を叶えるそのためには、仲間同士、お互いがお互いと向き合う……そんなことが語られるのが、次回「ともだち」じゃないかなと想像しています。