いやー……早く来週にならないかな!! 毎回言っている気がしますが毎回そう思います。しかもエリーチカ加入は前後編ともいうべきことになっていました。そりゃあ25分で落ちるタマではないですよね。
エリちを中心に、彼女の周りの要素について書きました。
「素人にしか見えない」
絵里がμ’sを認めない理由、それは「素人にしか見えない」からです。もっと言えばμ’sどころかトップアイドルであるA-RISEも、「私にとっては、スクールアイドル全部が素人にしか見えないの」。
「そう言えるだけのものが、エリちにはある」。希が海未ちゃんに話した「そう言えるだけのもの」とは、クラシックバレエの世界で結果を残してきたということでした。
バレエはもともとフランスで生まれたものです。物語を表現したフランスのバレエは、ロマンティック・バレエと呼ばれました。その後ロシアに伝わり、物語とは関係のないダンスシーンが取り入れられるなど、独自に発展。これがクラシック・バレエと言われる、現代のバレエの元となっているものです。ロシアは、バレエの育ての親ともいうべき国。そんな場所で、絵里はバレエを続けていたのです。
加えて、バレエはすべてのダンスの礎とも呼ばれています。僕の妹がジャズダンスをやっているのですが、ダンスを始める際に一番最初に習ったのがバレエでした。また職場の先輩にもダンサーさんがいますが、彼女も同様だったようです。「公立学校の授業でヒップホップダンスをやらせようとしているけど、その前にまずバレエをやるべき」とも言っていました。
ダンスの基礎を知り、相当に厳しいといわれるバレエの世界で幼い頃から研鑽を積んできた絵里。彼女は、人前に立つことの価値をμ’s以上に知り、重く感じているのかもしれません。「人に見せられるものになっているとは思えない」という言葉は、決してμ’sへのあてつけではないのです。
なぜ生徒会の廃校阻止活動が許可されないのか
理事長は生徒会に問いを投げかけているというより、絵里本人に投げかけているふうに見えるのです。
今まで、ここで何度か「生徒会長の絵里ではなく一人の女の子としての絵里が早く観たい」と書いてきました。これまでのエリチカは、ずっと生徒会の生徒会長として動いています。廃校阻止活動も然りで、「生徒会として」何かやらないといけないという面だけ見せてきました。
また、今回で「祖母の母校であること」、「妹が入学したい学校であること」という動機が明らかになりましたが、例え理事長がそれを知っていたとしても、同じように言っていたでしょう。「意味がわかりません」「そう? 簡単なことよ」という会話のすぐ前に、絵里は自分でこう言っています。「理事長は、学校のために学校生活を犠牲にするようなことはすべきではないとおっしゃいました」。
3話で、たったひとりの観客の前でライブをしたあと、穂乃果たちは続ける理由を「やりたいからです」と言いました。絵里と穂乃果たちの決定的な違いがここです。自発的な感情があるかどうかです。
なぜ自発的であるかどうかが問題なのか。「スクール」アイドルと言うように、彼女たちは高校の生徒です。μ’sも生徒会も、他の生徒も、人生の中でかけがえのない時間を、今すごしています。母校がなくなるという現実が目の前にある中で、せめてこの大切な時間を、自分が心からやりたいと思うことに使ってほしいという理事長の親心なのではないでしょうか。
人はそれを、青春と呼びます。
人をひきつけるということ
絵里の過去を知った 海未ちゃんは、絵里に教えを請おうと生徒会室の前まで向かいます。結局、希に一度止められるわけですが、その向上心は改めてすごいの一言。穂乃果のメンタルが伝染したようでした。自分たちに必要なことが分かっていて、そのためには敵視されている人にも教えを受けようとする。なかなかできることじゃないです。
そんな飽くなき向上心、がんばる姿、素直さが、μ’sを応援したくなる理由です。立派な、人をひきつける要素です。他にも、元々持っている可愛さとか、見せ方の工夫とか、人をひきつける力というのは様々な種類があります。
しかし同時に「確固たる技術」というものもまた、人をひきつけるための重要な要素です。スポーツでもそうですが、一目見て「スゴい」と言わせるのは、やはりハイレベルな技術です。上手い見せ方を見た時の「スゴい」と、高い技術を見た時の「スゴい」は違うと思うんです。
穂乃果に備わっているのが向上心とひたむきさ、にこの説いたキャラ作りが上手い見せ方だとすれば、エリーチカの持っているものはハイレベルで確固たる技術です。上を目指すには、そのすべてが必要。エリーチカは、μ’sがもう一度進化を遂げるために必要な最後のピースなのです。
来るか、王道の展開!
最後のシーンで明らかにされた、来年時での生徒募集の停止、そして廃校の決定。生徒をたくさん集めるために始めたμ’sの活動理由が消失し、絵里にとっては音ノ木坂に入学したい妹がその夢を破られてしまうことになります。そして、大好きな学校がなくなってしまう、祖母の母校がなくなってしまう……。
となると、もうラブライブで優勝し、決定を覆すしかない。そのためにはエリーの力が必要……! というふうになるのでしょうか。
予想しちゃいましたが、たとえ予想通りでも全然構わないという気持ちです。だってめちゃんこ熱いじゃないですか! そういうの大好きです。
それに、これは他のアニメ等でも言えることですが、先が読めたからといってつまらないとは僕は思いません。よく「読めた!」という人もいますが、読めたからって評価を下げるのはおかしい。
お話には「見せ方」というものが必ずあります。僕はそれが楽しみです。どんな見せ方をするのか。結論が予想通りでも、どんな道のりを通ってそこにたどり着くのか。エンディングが見えたとしても、楽しめる部分はまだまだいーっぱいあります。そもそも、本当に自分が思い描いた通りの結末になるかわかりませんしね。
引きの7話でしたが、8話で京極監督と花田さんが王道な展開を持ってくるのか、持ってくるならどんな見せ方をしてくれるのか。「ラブライブ!」には見せ方の面でかなり楽しませてくれるアニメですので、期待しちゃいます。エリーチカ、どうか幸せになって……!
その他雑感
シリアスだけの回にならず、メンバー同士の絡みも「ラブライブ!」の魅力だよ! というのを今回も見せてくれました。りんまき、のぞにこ、すごくイイわぁ……! 間違いなく夏コミで一般向けの薄い本を大量購入してしまいますね。エリーも早くみんなと打ち解けて、アリサに見せるような柔らかい表情で過ごしてほしい。
のぞみんの「ちょっと、ショックが強すぎたかな」というセリフのシーンが印象的でした。ひとり佇む海未ちゃんのことを言っているのですが、そのバックにはわしわしMAXで撃沈された3人が……セリフがどちらにもかかっている、おもしろい見せ方です。
そういえば昼休みの勉強をサボろうとして希におしおきされるシーン、練習着のはずなんですが1カットだけ制服になっちゃってましたネ。
「今日のノルマはこれね!」と希が問題集を出すシーンや、テスト返却が終わって穂乃果が部室にやってきたシーンと、部室内を俯瞰で写すカットがありました。あれでおもしろかったのが魚眼風に描かれているんですね。机や壁を見るとよくわかるのですが、ちょっとぐにゃっと曲がっている。
映像を撮る際に、奥行きの狭い場所で全景を入れたい時などに魚眼レンズが有効だったりするのですが、変に狭さを感じさせず、かつワンカットに全員を入れるとなるとこういうやり方になるのかな〜なんて思いました。これは詳しい方の解説が聞きたいです。
今回のコンテと演出は酒井和男さんという方。以前は作画、最近は演出やコンテを担当されることが多いみたいです。ガンダムAGEの助監督もされていますね。また新しい方だ……!
そういえばスタッフ関連で、穂乃香ちゃんのテストの大問5……。
「(現場の状況が)ありのまますぎるよ!」