1日目と同じようで、まったく違うライブ
家に帰ってきて、これを書きながら「BiBiの曲は本当に楽しかったなぁ」と、今日のライブを思い出していました。そして「ああ、あの姿はもう見られないんだ」とも。
とてもステキなライブでした。1日目とほぼ同じ構成でしたが、感じることは全然違いました。本当にこれが最後なんだと思うと、一曲一曲が、ひとつひとつの動きが、ひとつひとつの言葉が本当にかけがえのないものに思えて、自然と声も大きくなって。セットリストを変えるとか、特別なことをやる必要はありませんでした。何もせずとも、すべてが特別になる日だったからです。
それでもやっぱりμ’sのライブは楽しくて、最後ということを忘れてしまうほどです。Printempsの可愛らしさ。lily whiteのテクニカルでキレのある、実にカッコいいダンス。多彩な表情とパフォーマンスで観客を魅了するBiBi。学年ごとに歌った劇場版の挿入歌。東京ドームはライブ用に作られた場所ではないので、さいたまスーパーアリーナで行ったライブのように細かい仕掛けはなかったのですが、それでも見どころは本当にたくさん、たくさんありました。
逆に凝った仕掛けがない分、南條愛乃さんが激しく動けないなら動けないで、モニターなど巧みに使いながら2次元と3次元の壁を壊しつつ、見せ方を工夫して仕上げていました。
もしかすると、めちゃくちゃ痛くて歌声に影響を及ぼすほどだったかもしれません。それでも最後までステージに立ち続けて、絢瀬絵里とともにいてくれたことには感謝しかありません。
横浜BLITZから始まり、東京ドームにまで来ても、不思議と「μ’sが遠くにいってしまった」とは思わないんですよね。この日、僕は2階席から見ていたのですが、距離的には遠くてもなんだか近くにいるような、そんな感覚を抱きました。これが1日目に書いた「ライブが始まればμ’sの雰囲気になる」ことの正体なのかもしれません。彼女たちには、そんな魅力があります。“ともにここまで来た”と思わせてくれるんですよね。
μ’sがμ’sを相対化する
μ’sのメンバーは、自分が命を吹き込む子たちをとにかく強く相対化しています。プロの役者なら必ず経るであろう過程ですが、彼女たちのそれはとにかく濃いのです。
それは、キャラクター(と便宜上書きます)が先に前へと出ていたからでしょう。
幕間に上映された「μ’s Chronicle」で、三森すずこさんが“最初は海未ちゃんばかり出ていた”と話していました。先にファンとコンセンサスを形成していた「園田海未」になれと言われる。ライブで同じダンスをしろ、あなたが園田海未だと。
ファーストライブが行われる頃には、ファンの中にはもう園田海未像がある程度できあがっていたはずです。しかも架空の人物でもあるゆえ、それになれというのは生身の人間にとっては大変なこと。三森さんは海未を“追いかける”ことになっていました。
追いかけるということは、何かを追いつく対象、つまり目標として捉える必要があります。すなわち相対化です。ファンが見る園田海未になるために、海未を見つめる。追いつこうとする。そのうちに、追いつこうとしていた対象がいつしかともに走る仲間となり、よきパートナーとなっていきました。新田恵海さんが初のアニサマの舞台でも、後ろに9人がいてくれるから大丈夫と思えたと話す。飯田里穂さんが最後のMCで「凛ちゃん、見ててくれた?」と語りかける。どちらかがどちらかに取って代わるわけではなく、彼女たちはずっと一緒にいたのです。
「ラブライブ!」では、キャラクターも役者もともに成長していきます。しかもただ成長するだけじゃなく、成長の仕方や試練の訪れ方までそっくり。まるで一方の世界の神様がもう一方の世界を見ているかのように、普通じゃ到底マネができないことまでピタリと合ってしまうのです。人こそ違いましたが、本番の日に声が出なくなったと聞いて高坂穂乃果のことを思い出した人は何人もいたでしょう。
しかし自己紹介で「もしや」と思いはしたものの、それ以外ではまったく喉を傷めた影響を感じさせないパフォーマンスを見せてくれた内田彩さんには脱帽するばかり。どうにかして南ことりをこの場に立たせたかったんじゃないかと、思いの強さを感じずにはいられませんでした。
こうしてそれぞれがパートナーとともに過ごした6年間。その集大成となっていたのが「MOMENT RING」でした。間奏でこれまでの楽曲の振り付けをμ’sが次々に繰り出していったシーンはとても印象的で、まぶたに焼き付いて離れません。
これを大切にしていけばいいんだ
μ’sが過ごしてきた6年、そして僕らが彼女たちとともに歩んできた幾日、幾ヶ月、幾年は、ここで終わり。μ’sが演じていたμ’sも、彼女たちの音楽も、歩んできた軌跡も、言わば“過去のもの”になりました。これ以上は、もうありません。
でも過去になったおかげで、そのひとつひとつが本当に愛おしく、かけがえのない、大切なものになりました。だからでしょうか、僕の中に未練はまったくなく、とてもすっきりしています。はっきりと「これを大切にしていけばいいんだ、分かったよ」と思えるから。思わせてくれたからです。
ゴールの先にも、道はあります。終わりをきれいに作れるということは、始まりを目の前に置けるということ。これからもμ’sと、μ’sとともにいたμ’s、そして僕らは自らの“LIVE”を歩き続けます。いつかまた会う日のために。きっとその時にはさらに成長した姿を見せてくれるであろうμ’sに負けないように。最高の今を精いっぱいがんばって成長していきたい。それが離れているようで離れられない、いつもμ’sとともにあるということなんじゃないかと思うのです。
またこのホームグラウンドで「久しぶり!」と、互いに成長した姿を見せること。それがこの日、愛で満ちあふれたの東京ドームで生まれた「あたらしい夢」です。
μ’s Final LoveLive!2日間お疲れ様でした。
僕はライブビューイングで参加しましたが、やはりBiBiの曲は盛り上がりますね!
こちらの会場でも大盛り上がりで、劇場が少し揺れた気がします(笑)
どの楽曲もとても素敵で楽しかったですが、強く印象に残っているのはやはり劇場版の3曲でした。
「Angelic Angel」ではμ’sが9人揃っている事が何より嬉しく、僕も南條さんに「おかえりなさい」と
伝えたくなり、「SUNNY DAY SONG」ではμ’sや会場の皆さんと一緒の振りをしてすごく楽しいはずなのに
少し涙ぐんでしまったり、「僕たちはひとつの光」ではμ’sが肩を組んでいる時に(μ’sがこの9人、18人で
良かった)と泣きながら嬉しくなったり、とにかくたくさんの色の気持ちになった幸せな2日間でした。
「僕たちはひとつの光」は複数のキャストがμ’sだけでμ’sの為に歌いたいとどこかで語っていましたが、
もし許されるのであれば、ファンからμ’sの為に歌いたいとも思います。
「μ’s」という光を追いかけてきた僕たちだから、またどこかで会えると信じているから、さよならは言わ
ないと。 また会うために、僕たちのことを呼んでくれるかい?と。
μ’sが退場する時に聞こえてきた現地の合唱を聞きながらそんな事を思いました。
>さくさくさん
2日間のライブ、お疲れ様でした!
劇場版の3曲はまさに三曲三様で、いろんな感情が呼び起こされたシーンでしたね。
こんなに楽しさと切なさが同居する瞬間というのも、なかなかないんじゃないかと思います。
「僕たちはひとつの光」をファンからμ’sのため歌いたいというさくさくさんの言葉、
とてもステキだなぁと思いながら読んでいました。どちらからのメッセージにもなれる曲なんですよね。
「双方向性」の一言にはあまり収めたくないのですが、与えられるだけじゃなく、与え合えるからこそ、
「ラブライブ!」やμ’sはここまで来たんだろうなと思いました。
ステキなコメントをありがとうございました!
私も2日目のLVに娘と一緒に参加しました。
体感2時間にも満たないくらいにしか感じなかった密度の濃い5時間にも及ぶあの“一瞬”の感想は、まさに『今が最高!』に尽きます。
演者である彼女たちは、これまで歌ってきた歌の歌詞を具現化するかのごとく、大事に、大切に、大胆に、言霊を繰り出し、私たちの想いと共に昇華させて、その“瞬間をリングに閉じ込め”ようと誰もが一所懸命になっていたように感じました。
そして、最も印象的だったのは、Pileさんが冒頭から通して『抱き締める』『愛してる』と言葉にしていたこと。
互いの存在を認め、必要とし、求め合い、支えとする。
“今まで”と“これから”のために、Pileさんがそれを欲したように見えました。
確かに彼女達と私達にとってあの“時間”が『今が最高!』でしたが、彼女達と私達にも大事な『これから』を掴み取るために大切で必要な“時間”であったと後に確信できることを心から信じ、飛び立ち羽ばたく彼女たちの応援を続けようと心新たに誓った次第です。
>拓ちゃんさん
LVのご参加、お疲れ様でした! 本当に短い5時間でしたね。
ここで終わるというライブの中でも「これから」に着目するというのは、
とってもいいことだなぁと思いながらコメントを拝読しました。
μ’sは一区切りとなりますが、僕らにも彼女たちにも「これから」があるんですよね。
作中でもμ’sは常にゴールをスタートとしていましたが、ファイナルとなった今回のライブも、
μ’sや僕らにとってそんな風にしたいなと思うコメントでした。ありがとうございました!
どうも。ライブの感想記事を拝読しました。
いつも素敵な構成力で感心しきりです。
本当にただただ、その曲ごとにそれぞれ楽しい!って思える瞬間があって、
本当に最高のライブだったと思います。
うっちーが2日目の最初に声が出なくなった時、「あ、これは、どうなるんだろう」と不安もありました。
えみつんも、今回もおそらく喉を傷めた兆候がありましたし。他のメンバーも本当に全力を出し切って、
今回のライブにぶつかったんだと思います。
ただ、その全力は、本当にまた5thでみた景色を超えて、そして最高の一瞬に変えてくれました。
そのことにただただ、感謝を述べたいです。
これまでの数回、だいたい記事を読んでから感想を書かせていただいたんですが
今回は、「μ’sのこれからの物語が無い」ということに私自身整理つかなかったからです。
それを想起させるようなメドレーMIX音源を聴いて、ようやく自分の中にあるモノを整理できたので
こうして文章を起こしています。
18人のμ’sメンバーたちは、きっと新しいスタートへ晴れやかな気持ちで次のステージへ、
またみんなにいろんな景色を見せてくれるのでしょう。
これからはそれぞれが独自にカラーを出していくものが多いのでしょうが、
それでも、いずれまた18人で揃った時、また宝石のような瞬間を一緒に紡いでくれると信じてます。
長くなりましたが、μ’s関連で素敵な文章を読ませていただいたこと、
本当に感謝しています。
それから、最新刊nine買わせていただきました。
相変わらずの洞察力で、物語の解釈の一つとして、とても良い読み物だと思います。
最後に、今度こそ、何かのイベントの折に、いえ、予定を合わせて酒の一杯でも酌み交わせればと思います。
スペースありがとうございました。
>ツカサさん
熱いコメント、ありがとうございます!
僕は「きちんと終わってほしい」と思っていた方なのでまだスムーズに切り替えられた方なのですが、
周りを見ているとそうじゃない人も多かったみたいです。
それくらい、整理がつかない気持ちになるからこそ、僕らの心に強烈に残っていってくれるんでしょうね。
最後のライブの1曲1曲で「これで終わりなんだ」と思いながら聴いていると、聞き慣れた曲のはずなのに
全然違うように聞こえるから不思議です。
彼女たちがまた顔を揃えたとき、どんな音を聞かせてくれるのか楽しみですね。
Nine、ご購入いただきありがとうございますー!
こちらこそ、ブログでも同人誌でも記事を読んでくださり、本当にうれしいです。
ぜひぜひ、何かの折にそちらへ行ったときや、こちらにいらしたときにはお会いしましょう!