イベントレポート

「μ’s →NEXT LoveLive!2014 ~ENDLESS PARADE〜」2日目 μ’sテーマパーク

 

 2日間ありがとうございました! 思い返せば2DAYSライブに行くのも、両日とも参加するのも初めてで、その分たくさんの方にお会いできたのが嬉しかったです。ライブ本編もさることながら、その前後にTwitterでつながりがあった方や、その方を通して初対面の方ともお話できたことが本当に楽しかったです。

 

 2日目、ユニット曲をやるなど、前日から多少の曲変更はあるだろう。でも大綱は同じだろう。この中で自分が何を感じるかなぁと思いながらライブに臨みました。見えてきたのは、「壁を壊しにかかるμ’s」と「テーマパークとしてのライブ」でした。

 

壁を壊そうよ

 

 1日目の感想で18人のアイドルが見えたと書きました。2日目も同様で、やっぱりキャラクターと演者の両方を自然と意識しながら観ていました。

 

 これ、何故だろうとずっと考えていたのですが、大きな要因として変化が見えるからじゃないかと思ったのです。

 

 一番わかりやすいのはダンスですよね。アニメPVの中のμ’sは最初から一定のクオリティで踊れていて、ストーリーの中でも、メタ的な意味でも、作品として成立しています。すなわち、演出の中に「上達ぶり」が入ることはほとんどないわけです。

 

 ところが、生身の人間がやるとそうはいきません。メンバーの間にも差があったり、最初はなかなか動けなかったりするわけです。特に話題に上がるのは徳井さんですが、果たして今回、徳井さんのダンスの上達ぶり、そしてやたら綺麗になっていたことに僕は大変驚きました。

 

 こうした変化を目の当たりにすると、やっぱりキャラクターだけが見えるという風にはなりません。生身の人間を無視できないのです。「みんなで叶える物語」の始まりとして経験の浅い演者を選んだ以上、このストーリーの中には彼女らの成長も含まれています。徳井さんは今回のライブに至るまで、何枚もの壁を壊してきたのではないでしょうか。

 

 

 もうひとつ、このライブで壊されつつある壁は、次元の壁です。ライブ冒頭のARでの演出然り。観客へ語りかけるアニメパート然り。そして何より次元の壁を壊すというプロジェクトの中心にいたのは、もちろんリアルμ’sたちです。徳井さんがパンフレットの中で「にこの魂を受け取り、三次元に降臨させる!」とおっしゃっていますが、僕が改めて言うまでもないくらい、ひとたびステージに立てばキャラクターと雰囲気がうり二つになる方ばかりです。

 

 僕が特にそう感じるのは、徳井さんと内田さん、南條さん。南條さんはどうやってここまでと思うくらい、佇まいが絵里そのものに見えます。南條さんばかりは他のメンバーの「降臨」具合とちょっと異質に感じてしまいますね。

 

 ただ、今回すごいなと思ったのは内田さんなんです。

 

 もともと、ものすごくお客さんのこと、キャラクターのことを大事にしながら、自分がどう見えているかをとても意識している方だと思っていますが、この4thライブでは初めてことりの髪型にスタイリングした上、2日目にはカラーまでことり色にしてくる力の入れよう。ものすごい意気込みを感じました。

 

 なかなかここまでできる人も少ないと思うんですね。あの髪の量をカラーリングするのは大変だし、しかもこの日のためだけだから、また戻すのでしょう。それでもあのステージにことりを「降臨」させるために決行……まさに「2.5次元でことりを演じる」、いやそれ以上に、この2日間の内田さんはことりその人でした。

 

 さて、役を降臨させるという観点から、テーマパークとしてのμ’sライブの話にいきましょう。

 

 

コメントがなかった理由

 

 嘘か真か、東京ディズニーランドにこんなエピソードがあります。園内で掃除をしている方に「何をしているんですか?」と訊くと、「星を集めているんです」と答えてくれるのだとか。この人は「星を集める人」となって、訪れる人を楽しませているわけです。奇しくも、彼らは「キャスト」と呼ばれています。

 

 今回のライブは、僕はテーマパークに遊びに来ているような感覚を覚えました。正直に言うと、観客という最後のピースになってライブを作るというよりは、ライブ会場に遊びに来て楽しませてもらっているような、そんな感覚だったのです。

 

 さいたまスーパーアリーナという大きな会場とギミックを活かした様々な「アトラクション」。そこで迎えてくれたのはこの作品の、文字通り「キャスト」です。今回、BiBiのコールアンドレスポンスやlily whiteのアンケート企画、「No brand girls」の振り付け講座など、観客も一緒になって何かを行う場面も多かったのですが、これらも言うなれば「参加型アトラクション」。最後に待っているのは、もちろん「パレード」ですよね。

 

 そう考えると、ライブ終盤でメンバーのコメントがなかったのも、ちょっと分かるような気がします。

 

 現実的に考えれば、撤収までを含めてスーパーアリーナを使える時間の都合だったり、ライブビューイングを行っている映画館のタイムスケジュールの関係なのでしょう。しかしそこに敢えて意味を見出すとするならば、今回の彼女らは観客を楽しませる「キャスト」に徹したということです。キャストの気持ちというのは「リアル」なのです。でも夢の国にいる間は、リアルを見せることはない。笑顔で帰ってもらうことがミッションだから。μ’sは舞台裏に去るその瞬間まで、「ENDLESS PARADE」という夢の国を形成し続けたのです。

 

 1日目のライブを見ながら、今回のライブに涙は似合わないなぁと思いました。3rdライブから半年と少々、新曲を出し続けながら、たくさんの過酷なリハを重ねてきて、思いを吐露すれば涙まで一緒に流れるようなこともあったかもしれません。それでも、μ’sが作ってくれたこんなに楽しい空間で過ごすうちに、このまま、笑顔のまま終わりたいと思うようになっていきました。きっとコメントを聞きたかった方も、僕も含めてそういう時間があるだろうと思っていた方も多かったと推測しますが、僕はこれでよかったと思っています。狙っていたのかどうか分かりませんが、涙、涙だった3rdライブとしっかり差別化され、3rdも4thもそれぞれの魅力がいっぱい詰まったライブになりました。

 

 さぁ、次回5thは来年に同じくさいたまスーパーアリーナ、さらに最大収容数を誇るスタジアムモード! 1日目のエントリでライブのたびに「前回を超えられるのかどうか、一抹の不安を感じる」と書きましたが、2日目のライブを経て、そうは思わなくなりました。前回を超える超えないだけではないのです。今回のように、新しい見せ方・新鮮な楽しさを次も用意してくれるのでしょう。成長という縦軸だけではなく、表現の幅という横軸が備わったμ’s。どんなパフォーマンスを観せてくれるのか、今からワクワクしてしまいますね! まずはアニメ2期、そしてたくさんリリースされるであろう新曲を心待ちにしています。

 

POSTED COMMENT

  1. Kawa より:

    2日間のライブ お疲れ様でした。
    楽しい時間はあっという間に過ぎるものですが、夢のような楽しい2日間でしたね。
    タイトルにパレードと名の付く通りに、終わった後も清々しい気分で「楽しかったー」と思える素敵なライブでした

    1日目のライブレポートの記事も面白かったです。
    自分とは違う座席ではステージがどんな風に見えるのかが気になっていたので、その様子が書いてある部分がお気に入りです。
    今回のライブをテーマパークに例えて書かれている所はなるほどなぁと思いながら読んでいました。
    (ライブで感じた雰囲気が前回の3rdライブとは結構違うのが印象に残っていて自分なりに色々と考えていたので参考になりました)

    2日間のライブ参加とライブレポート 本当にお疲れ様でした。

    • bakainu より:

      いつもお読みいただき、ありがとうございます~!
      「楽しかったー」と思えるというのは、まさしくμ’sの狙い通りなのだと思います。
      遊園地で思い切り遊んできたような気分ですよね。僕も同じ気持ちです。

      3rdライブとは全然違う雰囲気で、8カ月前と比べるというよりは全く別のものという印象でした。
      同じ「ライブ」でも、こういうのもあるよーって新しいものを見せてくれた気がします。
      Kawaさんも良い座席を楽しまれたようで何よりです(*´∀`*)

      お互いにライブ参加とライブレポ、ビューイングレポお疲れ様でした!
      また次回も楽しみましょう♪

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