考察

「ラブライブ!」新シリーズプロジェクトから見える、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の特異性

今日、「ラブライブ!」シリーズアニメ公式サイトにて、新シリーズプロジェクトに登場するスクールアイドルのメインメンバーと、TVアニメシリーズのメインスタッフが公開されました。

新しく登場するスクールアイドルは、澁谷かのん、唐 可可(タン クゥクゥ)、嵐 千砂都、 平安名(へあんな)すみれ、葉月 恋の5人。9人から5人になりましたが、途中で4人が加わるなんていう、スーパー戦隊シリーズでたまにある展開もあり得るのでしょうか。

中国人とおぼしき子もいて、国外にもファン層が広がった「ラブライブ!」シリーズのグローバル化を感じます。「アベンジャーズ」に日本人ヒーローが加わるような感覚でしょうか、中国のファンはうれしいかもしれませんね。各スクールアイドルのプロフィールは5月18日発売「Love Live!Days ラブライブ!総合マガジンVol.07」で公開とのことです。

「ラブライブ!」新シリーズプロジェクトのキャッチフレーズとメインスタッフ

また、今作のキャッチフレーズは「私を叶える物語」。「みんなで叶える」「あなたと叶える」と来て、「私を叶える」です。字面では“個人の夢”にかなりフォーカスされている印象で、リアルでメインキャストオーディションを行っていることからも、その傾向が伺えます。

「ラブライブ!サンシャイン!!」からはかなりキャスト寄りの売り方をしていて、アニメ脚本でも、キャストのパーソナリティをスクールアイドルに反映しているという話もありました。もしかすると、新シリーズでその度合いは強くなっていくかもしれません(個人的にはあまり肌に合わないのですが)。

新シリーズプロジェクトでの注目は、TVアニメシリーズのメインスタッフです。原作原案はいつもどおり、シリーズ構成は花田十輝さん、キャラクターデザイン原案は室田雄平さんとおなじみの名前が並びますが、監督は京極夏彦さん、音楽は藤澤慶昌さんと、μ’s時代を思わせる布陣です。

新たにキャラクターデザインとして加わった斎藤敦史さんは、「ソードアート・オンライン」や「プリンセス・プリンシパル」で作画監督、ほかさまざまな作品で原画を務めてきた方。新しい血を入れながら、「ラブライブ!」シリーズの血筋を受け継いでいることが分かる陣容となっています。

「ラブライブ!」新シリーズプロジェクトは3作目?

この新シリーズプロジェクト、既にTVアニメシリーズが決定しているところがポイントです。これまでは、作品やキャストがある程度の経験や実績を積み重ねながら満を持して、という展開が多かったのですが、最初から発表されているのは珍しいのではないでしょうか(「サンシャイン!!」の1期ってどうでしたっけ?)。それだけ肝入り企画であると言えるかもしれません。

「ラブライブ!」「ラブライブ!サンシャイン!!」と来たシリーズですが、この新プロジェクトのアニメ化決定の報を振り返ってみると、「TVアニメ制作決定!!!」そして「ハロー!!! ラブライブ!」の文言とともに伝えられています。すでに語り尽くされた話かもしれませんが、「!!!」の表記から見るに、「3作目」と捉えるのが自然です。

であるならば、こちらもTVアニメ化に向けて歩みを進めている、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の立ち位置はどうなのでしょうか?

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の特異性

虹ヶ咲のアニメ化発表時、キービジュアルを見て驚いた人も多かったでしょう。室田さん色を排して(という書き方が正しいか分かりませんが)キャラクターデザインは横田拓己さん。 2020年春アニメでは「波よ聞いてくれ」のキャラクターデザインを務めている方ですね。シリーズ構成は「ゆるキャン△」や「プリキュア」シリーズで知られる田中仁さん、監督は「三ツ星カラーズ」の河村智之さんが担当します。

そも、虹ヶ咲のアニメ化が発表されたのも、2019年12月のファーストライブにて。始めから決まっていたかは分かりませんが、少しずつ作品として成長し、ようやくたどり着いたという印象のアニメ化。新シリーズプロジェクトのアニメ化発表は、このわずか1ヵ月後。もちろんアニメ化がすべてではありませんが、メディアミックスの中核であることは確か。このコントラストは興味深いものがあります。

考えてみれば、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の始まりは「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」あり、シリーズ作品の中で唯一、電撃G’sマガジン発祥ではないんですよね。こうした“生まれ育ち”やTVアニメシリーズのスタッフなどを考えると、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、言葉を選ばずに言えば“外伝的”と言えるのではないでしょうか。

外伝的ゆえの大きな期待

ただ、それが悪いことだとは思いません。むしろ、「ラブライブ!」シリーズファンに新しい価値を提供してくれているとも感じるのです。

全員がソロ活動という枠組みは、虹ヶ咲の大きな特徴のひとつ。これによって、ニューシングルのA面楽曲がソロ曲という新鮮さが供出されています。さらに楽曲も、畑亜貴さんの作詞ではなくなったことでより多彩な表現が生まれ、μ’s初期を思わせるラインナップに。ここは個人的にとても好きなポイントで、虹ヶ咲を見ていて楽しいと感じる部分です。

となると、TVアニメもこれまでとは違う角度でスクールアイドルを描いてくれるんじゃないかと期待せずにはいられません。過去作からの継承は強みでもありますが、枷にもなり得る。そこから一歩踏み出すことで、スクールアイドルの新しい内面や価値観が描き出されるんじゃないかと、密かに期待しています。

それが今のメインストリームであるAqoursファンにウケるかはちょっと怪しい気もするんですが、μ’s時代のアニメが好きだった人には刺さるんじゃないかなぁ……いつになるかは分かりませんが、考察しがいのあるアニメになってくれたらと、いち虹ヶ咲ファンとして願ってやみません。

 

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