「セックス」の連呼はただヤリたいからじゃない―映画『モテキ』感想

映画のレビューって観てない人に向けたものと、観た人に向けたものがあると思うのですが、今回は観た人に向けて書きます。ネタバレの可能性ありです。 

マンガでもそうでしたが、ユキオ(森山未來)の恋愛観は0が100か。友達なら友達として一線を踏み越えない、恋人なら恋人としてすべて許す。とてもオタク的恋愛観です。

だから、きっちり「お付き合いしましょう」と両者で確認していないのに同じベッドで寝たり、キスしたりっていうのがムリ。るみ子(麻生久美子)と一線超えちゃってからも「やっぱり違う」となるし、愛(仲里依紗)からいきなり結婚しましょと言われても、何も言い返せずに躊躇してしまう。みゆき(長澤まさみ)とダイスケ(金子ノブアキ)の本当の関係を知った時も激昂する。それはある意味ユキオの「芯」であって、その芯を踏まえて観ると理解できると思います。

映画は冒頭から墨田さん(リリー・フランキー)や素子さん(真木よう子)がユキオに向かって童貞童貞と連呼していますが、その後のユキオモノローグで度々出てくる「セックスしたいセックスしたいセッk(ry」と対にさせたのでしょう。前述の0か100かの恋愛観も相まって、ユキオにとってのセックスは愛の最終形態なんです。あれだけ連発すると「ヤリたいだけか!」って思われそうだけど、そうじゃない。愛したいよ~、愛されたいよ~っていう心の叫びなんです。すごく純粋なんですよね。

映画としての演出はとても上手! ドラマ版でおなじみだったいきなり始まるカラオケ、挟まれるコミカルな動き、生々しい小道具。みゆきがTENGATシャツ着てきた時はびっくりしました。美人は何着ても美人アイテムにしてしまうな! エンディングテロップがニュースサイトデザインになっていたのもおしゃれ。リスナーが主人公であるこの物語で、最後に森山くんがステージで歌っているのがまた粋ですよね。森山くんはホントに観ていて楽しい役者さんです。上手な役者さんって顔(特に目)の演技がうまい。山田孝之と並んで好きな役者さんなのですが、やっぱりいいなぁ。

今回僕が一番ノリノリになったのは、Perfumeと森山くんが一緒にダンスしているシーンでした。あれ、踊れたら楽しいだろうなぁ。

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