ラブライブ!

絵里がメールを出すシーンが一番好き―映画版ラブライブ!感想(第4回)

 先日、白井翔矢さん(@shiraishoya)、もん兄さん(@moyashimonmon)、ふんすさん(@Untan_mmq)と僕の4人で映画版の感想会をしてきました。

 「ラブライブ!」の話はもちろん、全然違う話もたくさんできてとても楽しいひと時となりました。その最後に、一人ずつ映画のイチオシシーンを言っていくという流れに。

 あれこれ浮かんできてかなり悩んだのですが、複数回答可ということだったので、僕は2つのシーンをピックアップしました。

 

便秘が解消した「SUNNY DAY SONG」

 ひとつは「SUNNY DAY SONG」のライブシーン。これはかなり個人的な経験で選んだのですが、実は2回目の観賞で、僕はずーーーっと便秘のような気分でいたんです。何も引っかかってこなくて、途中までブログに書くことすら浮かばず「これどうしよう?」と途方に暮れながら観ていました。

 それが「SUNNY DAY SONG」で、μ’sがセントラルパークで出会った3人の外国人が出てきたのを見て、シナプスが全部連結していった感覚になったんですね。「これだーーー!」ってなった瞬間にものすごくスッキリして、スッキリしたら目の前のフィルムがじんわりと染み込んできて、それはもうとても気持ちのいいものでした。

 以来、見どころいっぱいの本作の中でも、「SUNNY DAY SONG」が一番の楽しみになっています。正直、初めて聴いたときはアニメ化以降の「ラブライブ!」によくある曲だと思ったのですが、自分の経験でガラリと差別化されました。こんなふうに個々人で印象が変わるのも、音楽、ひいては創作物のおもしろいところですね。

 

絵里が自分自身を手にした日

 もうひとつのイチオシシーンはというと、東條希の家から絢瀬絵里が高坂穂乃果にメールを出す場面です。

 希の家に絵里と矢澤にこが集まっていること、3人で向き合って今後のことを決めたこと、飾られた卒業式の写真……この場面に映るパーツの一つ一つがまぶしく見えます。その中で何が一番いいかって、「絵里が」「穂乃果に」「μ’sは卒業と同時に終わりにする」ということを伝えたことです。

 あの時、穂乃果は周囲から寄せられる期待にさいなまれていました。彼女の唯一の弱点といってもいいかもしれません。穂乃果は期待をかけられると、どうしても応えてしまうのです。

 TVアニメを追ってきたかたなら、この穂乃果の姿が絵里にダブって見えるのではないでしょうか。周囲の期待に応え、求められる役割をこなそうとするあまり、自分が本当にやりたいことを見失ってしまう――今の穂乃果の姿はμ’sに加入する前の絵里そのものです。

 だからこそ、自分を殺してきた過去を持つ絵里が、自らを解放してくれた穂乃果に対し、お返しをするかのように自分の進みたい道を進むことを伝えたあのシーンは、絵里にとって非常に意味のあるものだと思うんですね。

 1期8話で、絵里は穂乃果に自分自身を解放してもらった。2期13話で、自分を押し殺してμ’sに敵対してきた“絢瀬絵里”という人物を肯定してもらった。そしてこの映画で、絵里は自分がしてもらったように、他人に対してなりたい自分になれるように手を差し伸べることができた。ここで絵里は、本当の意味で“自分自身”を手にしたのではないでしょうか。

 だから僕は、ここのシーンが大好きです。

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