ラブライブ!

μ’sの紅白歌合戦、2分15秒

 “2.5次元”という言葉があります。

 僕はフィギュアのことをこう呼んでいる人がいたことから、この言葉を知りました。2次元の存在が立体化され、3次元の世界に現れる。それは動かずとも、アニメの絵とはまったく異なるものを発しているように感じられます。

 

2分15秒のパフォーマンス

 僕にとってμ’sは、この“2.5次元”に近い存在です。ただ単にアニメと同じダンスをするだけでなく、ステージ上では外見も似せ、キャラクターとの距離を縮めていくうちに、内面にいつもその子がいる人も出てきた。そして“リアルμ’s”の軌跡も、劇中と同じ道を辿ろうとしています。

 しかし「ただ単にアニメと同じダンスをする」ことは、“2.5次元”である彼女たちの端緒、スタート地点でもあるのです。

 今でこそ我々ファンは、μ’sのパフォーマンスはただアニメをコピーするだけではないと知っています。ですが、声優が自分たちの演じるキャラクターとまったく同じダンスを踊ると初めて知ったときは、とてつもなくセンセーショナルでした。この「アニメと同じダンス」が、μ’sの代名詞のひとつになっていったのです。

 今回の紅白歌合戦で用意されたスペシャルアニメで、μ’sは「はじめまして」から入りました。大多数の人が自分たちを初めて見ることを自覚し、あのわずかな時間で全員のキャラクター性を発揮しつつ、今一度μ’sのスタート地点を披露する。「アニメ・マンガは単にアニメ・マンガである」という多くの人たちに、μ’sは2次元と3次元のハイブリッド、つまり新しいアニメ・マンガの姿を見せてくれました。あの大舞台を、思い切り楽しんで踊っていましたね。

 紅白歌合戦に初出場する歌手には、90秒ルールというものがあるそうです。いわく、パフォーマンスは1分半のみ。今回のμ’sは、スペシャルアニメを含めると実に2分15秒。最大限のリスペクトを受けてのパフォーマンスだったのではないでしょうか。

 

2016年は9人で

 あの5thライブを最後に、9人全員が揃ったライブステージは実現していません。8人が9人分の舞台を見せてくれるとか、μ’sのホームはμ’sのライブだからというあのブログとか、一番悔しいのは本人だろうとか、身体を壊しては元も子もないとか、あらゆるものを百も承知で傍に置いて書かせていただくと、この晴れの舞台に絵里と南條さんがいないのが悔しくてもどかしくて寂しくて仕方がありません。

 僕は記録したがりなので、いろんなものを「残すこと」「残ること」を考えてしまうのですね。紅白にしてもそうだし、ミュージックステーションにしてもそうですが、フィルムにも残る、一生に一度あるかないかのステージにことごとく2人いないことが歯がゆいのです(別のお話ですが、自分が出られないことを南條さんがどう受け止め、どう昇華しているのか、とても気になります)。

 それでも、先天性というからにはきっと何か意味があるのだと思っています。このタイミングで顔を出してしまうことにも。ファイナルの舞台に立ちたいという南條さんと絵里の不断の努力が報われた瞬間が、この意味を知るときなのでしょう。2016年がそんな年になりますように、μ’sにとってステキな年になりますようにと、願ってやみません。

POSTED COMMENT

  1. 拓ちゃん より:

    明けましておめでとうございます。

    9人でのパフォーマンスは「Rの法則」での生放送が現状の最新かと。

    それはともかく。
    ツイートでも「涙した!」というコメントが多かったのが印象的でしたね。
    気持ちは一緒。 
    アウェイであったことは確かなれど、ウラも含め製作側は全力で作ってくれてたことは肌で感じられて良かったです。

    今後は集大成目指して頑張るのでしょうけど、「今が最高」を現実にしてくれることを信じて……

    2016年始まりました!

    • ばかいぬ より:

      >拓ちゃんさん

      あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします。

      Rの法則があったか! 失礼いたしました。
      スペシャルアニメまで作られて、「ラブライブ!」らしい良いステージにしようという
      気概が感じられましたよね。うれしいことです。

      残り3ヶ月、限られた時間を全力で駆け抜けてほしいです!

拓ちゃん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です