フットボール

横浜F・マリノスの優勝と、自発的な仕事の話

今回の優勝は本当に色々な要素が噛み合っていて、すべてを語ろうとするならば、今年に限らず数年前まで遡らなきゃ語り尽くせないものです。

それはプロのジャーナリストやサッカーメディアに任せるとして、自分のブログでは今年のマリノスを見ていて感じたことをひとつだけ書きたいんですが、それは「自発的である」ということなんです。

「俺がやってやる」って気持ちが大事さ

エリク・モンバエルツ監督がフットボールの基礎を築いたマリノスを、攻撃的なチームに進化させるべく就任したアンジェ・ポステコグルー監督。蓋を開けてみれば攻撃的どころか「超」攻撃的で、あまりのアグレッシブさに2018年シーズンは降格争いに巻き込まれかける事態となりました。

それでも、この方針は監督はもちろん、選手、そしてクラブもブレずに掲げ続けてきた。ボールを保持し、スピード感をもってプレーし、奪われたら即時奪回。とにかく主体的にプレーしようとしてきました。

球技って、基本的にボールを持っている方が楽しいんですよ。僕はサッカーを本格的にやったことはありませんが、ずっと野球をやってきました。野球だとバッティングが好きな人が多いかもしれませんが、僕はピッチャーで、投げる方が好きでした。

一般的に、野球はバッターボックスに選手が入っているチームが「攻撃」側とされますが、本当は違います。この競技で攻めているのは、いつだってピッチャーだけです。「内角を『攻める』」とか言いますよね。野球において、すべてのアドバンテージはピッチャーにあり、あとの全員は“受け身”なんです。常にボールを持ち、先に攻めているのがピッチャー。それが僕にとっては、すごく楽しかったんです(自分が動いて初めて試合が動くって、ちょっとおもしろくないですか?)。

マリノスの選手も、ポステコグルー監督のサッカーで、似たような感覚を抱いたんじゃないかと勝手に想像しています。主体的にプレーするのは楽しい。楽しいから、「自分からやろう」って思える。自分からやろうと思えることって、自然と頑張れますよね。

ボスが一部で“宗教家”と言われるのは、こういうところじゃないかと思うのです。本人はそんな生温い表現はしないでしょうけれど、主体的なサッカーを掲げ、その楽しさをもって選手に信じ込ませる。信じ込ませることで自発的な取り組みを呼び起こし、結果に結びつける。今年のマリノス……特にシーズン後半のチームは、そんな好循環の中にいたんじゃないかと思います。

特殊なサッカーをしているように言われますが、極端な話、どこも特殊です。その中で職場と従業員の合う・合わないがあるのは、我々一般社会人と同じ。苦しい血の入れ替えを経て、自発性をもつ集団を作り上げ、クラブはここにたどり着きました。今年のマリノスは、本当に色々な切り口から語ることができる、とても興味深く示唆に富んだ組織なのではないでしょうか。

今日書きたいことはこのくらいです。何はともあれ、僕らマリノスサポーターの皆さん、優勝おめでとうございます!!!

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