考え方

「ギャンブル」は「一か八か」という意味ではない

「賭ケグルイ」がおもしろいです。アニメ、ドラマともに2期を視聴して、原作は最新コミックスまで読了しました。当初は変顔ありのギャンブルドラマと思っていたのですが、遅まきながら認識を改めたのは、夢見弖ユメミと名足カワル(和楽喰 淑光)の勝負あたりです。

ハリウッドスターを夢見るユメミは、その第一歩として、インディーズながらアイドルとして活躍しています。そんなユメミの前に現れたのが、本物のハリウッド女優であるカワル。ユメミには目もくれないカワルは蛇喰夢子にギャンブルを持ちかけますが、そこにユメミは食らいつき、カワル vs. 夢子&ユメミの勝負にこぎつけます。

勝負の行方はぜひコミックスやアニメで見届けていただきたいのですが、とにかくユメミの根性がすごい。騙し騙されるギャンブルの中で、ユメミはガチのハリウッド女優に対して、絡め手を含めた“真っ向勝負”を挑むのです。そこには、憧れと勝負の間で揺れ動きながら突き進む、ユメミの心情がありました。

「ギャンブル」の意味

改めて「賭ケグルイ」という物語を追ってみると、ギャンブルは一か八かの勝負なんかではなく、「決断と覚悟の連続」なのだなと思います。結局、未来がどうなるかは誰にもわからない。それでも、必死で相手の思惑と流れを読み解き、最善を尽くした上で決断をする。そのために、覚悟を決める。それが本当の「ギャンブル」の意味なのです。

大学時代、メールアドレスを「life-is-gamble@〜〜」としたら、就活の時期になって企業から白い目で見られた––なんて笑い話を聞いたことがあるのですが、ギャンブルを「決断と覚悟の連続」と捉えると、このメールアドレスもあながち間違いでもないなと思うのです。

実は先月、上司にメンタルを破壊されまして、医師の診断に基づいて1ヶ月ほどの休職中です。幸いにも、上司から離れたおかげであまり落ち込み続けることはなく、穏やかに過ごすことができています(薬のおかげかもしれません)。

休職する直前はあまりまともに物事を考えられず、ただただ「休職」という診断にホッとしたのですが、今思えばこれも「ギャンブル」でした。

会社によって変わりますが、うちは休職中に給料は出ません。ゆえに有給休暇で補えなかったぶんは欠勤扱いになり、給料から引かれることになります。また、復職後も同じ給料が出るとも限りません。蓄えがあまりない僕にとってはリスキーな選択でしたが、あのまま仕事を続けていたら、今度はお金どころか命が危なかった可能性もあります。

結局、どちらを選んでもリスクは必ずあるわけです。これは僕の休職に限った話ではなく、選択する場面は、日々生きている中で何度も訪れる。そしてどんな選択にもリスクはある。そのリスクを把握したうえで、どちらを「覚悟をもって」選ぶのか、決断するのか。その連続だからこそ、生きていることは「ギャンブル」のような気がしています。

決断を下して動くことと同じくらい大切なのは、「自分が決断した」のを自覚すること。自覚すれば、自分を顧みることで決断の精度を上げられるだけでなく、どんな結果でも他の何かのせいにすることがありません。

連休が終わり、僕の今後の選択肢も提示されるでしょう。上司がいる以上、同じ部署に残ることはないと思いますが、社内で潰しがきく職種でもありません。配置転換するのか、それとも会社の外に出るのか……どうなるか想像もつかず、正直とても怖いのですが、しっかりと「ギャンブル」したいと思います。


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