「クリエイティブを共有!SHOW YOUR WORK!」は、絵本作家のオースティン・クレオン氏が、クリエイティブにまつわるメンタリティを綴った書籍。前作「クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために」に続く第2弾です。
一見、前作に続いてこちらもクリエイター向けの本に見えます。それは間違いないのですが、一方で「別に何かを創ったりしているわけではない」「でもSNSで発信したり、いいね!をもらいたい」という、きっと世の中にたくさんいらっしゃる方々の背中を押す一冊にもなっています。
「作品がオンラインになければ、存在しないも同然だ」「毎朝、お悔やみ欄を読み、人生を生き抜いてきた前人たちから、刺激をもらおう」など、クリエイター向けのコメントが数多く並ぶ本書の中で、クリエイターじゃない、でも発信したい人にも“刺さる”言葉がこれです。
「1日1回の情報配信は、履歴書や作品一覧よりもよっぽど優れている。今現在、何に取り組んでいるかがわかるからだ」
仕事でもブログ記事でも、僕らはつい完成形したものを他人の目に見せようとしてしまいます。でも、見せるのは完成品じゃなくていいんです。
未完成品を見せると、周囲からより良くするためのアイデアやアドバイスがもらえますが、それはまた別の話。とにかく、今やっていることでいいし、これから始めようとしていることでもいい。これらは「今」と「未来」です。「過去」よりも、ずっとキラキラ輝いて見えます。
見せるものは別に、高尚じゃなくていいし、立派でなくてもいいんです。自分の好きなこと、興味があること、自然と手が動くことで構いません。
クレオン氏は、本書でこう言っています。
流行に乗ろうとしたり、おしゃれなフリをしたりしちゃダメだ。自分の好きなモノをありのままに正直に語ること。それが、自分と同じ興味を持つ人とつながりを築く最大のコツなんだ。
好きなことをアウトプットしていれば、時間も気になりません。やっているうちに楽しくなっちゃいます。クレオン氏は「時間は探せ」と言っていますが、これはクリエイターに向けた言葉です。SNSなどで簡単にアウトプットしたい人は、そこまで時間をかけることは少ないでしょう。むしろ、「こんなことを投稿しても仕方がない」と思わずに、のびのびと好きなことを発信すると良いのではないでしょうか。
4月、5月と、新しい環境に身を置いて、新鮮なインプットがたくさん入ってきた方も多いかと思います。「こんなこと、みんな知っているか……」と思わずに、どんどんアウトプットしてみましょう。この本は、何かを発信したい気持ちを力強く後押ししてくれます。
クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために
実務教育出版
売り上げランキング: 36,083