本の感想

「げんしけん2代目」はあれでいい

こちらを拝読しました。

げんしけん二代目はリアルなオタクを描いているんだろうか? – あにめもっ!
<http://d.hatena.ne.jp/bonzoku/20120623/1340455127>

 そもそも「リアルなオタクを描く」というコンセプトのままでしたっけ……? 初代の単行本1巻が発売された当初はそのような触れ込みだったと記憶していますが、連載が続くにつれてそうではなくなってきているというのは、読んでいるだけでも感じられます。

 単行本派ではありますが、僕も「げんしけん」には初代から楽しませてもらっています。それはオタクの世界という身近なものが題材というのもありますが、やはり一番は人間関係を描いた作品だからです(そういうの大好物なんです)。オギーが出たり、斑目が自分の恋心にはっきりと気づいたあたりから、コンセプトがオタクの世界を描くことから、オタクの、いや「げんしけん」メンバーの人間関係を描くものになったんじゃないかなと思っています。2002年のコンセプトを10年経った今でも維持してほしいとは、個人的には思っていません。

 確かに初代が連載していた頃と現在では、オタクを取り巻く環境がガラリと変わりました。でも、例にあがっているニコ動やpixiv、ボカロ、まとめサイトの話ってリアルでそんなにするかなぁ? ……って。少なくとも大学生以上ではそんなに話題にならない気がします。じゃあ2,3人ないし5,6人で集まって何を話してるかというと、アニメの話はもちろんするとして、お互いのことや友人のこと、日々の出来事って結構話題に出るんです。そういうコミュニケーションはとても自然に感じられるのでいいと思います。(余談ですが、逆にひたすらネットの話題ばかり繰り出す方は、ちょっとイタく感じちゃいますね……。)

 「げんしけん」にとってのオタクはそのままを描く対象から、コミュニケーションにひと癖ふた癖ある人の象徴になっていると思います。彼らをオタサークルという枠に入れて、どんな人間関係が構築されて、どう振る舞うのか、どう変わるのか変わらないのか。20代の僕はそんなところを楽しみに毎巻読んでいます。

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