野球

ファイターズ金子誠の内野手流キャッチボール

ファイターズの中で玄人好みのプレーヤーといえばこの人でしょう。ショートを守る金子誠。ここ2年はケガなどに苦しんでいますが、内野守備の安定感は抜群。2009年の優勝時には下位打線ながら3割を打ち、守備だけでなくバットでも貢献しました。

そんな金子誠選手の、安定したスローイングの秘密がスポニチに載っていたので、ご紹介しましょう。

 

 野球の基本はキャッチボール――。日本ハムのベテラン・金子誠内野手(36)は、そのキャッチボールを何よりも大事にしている。単に肩を温めるため、ではない。金子誠がこだわるのはその型。内野手ならではのキャッチボールだ。06~08年はリーグ遊撃手守備率No・1の職人も、昨季は故障にも泣かされた。19年目のベテランは基本の反復、そして経験という財産に支えられている。

野球少年にも覚えてほしいやり方だ。金子誠は昨季までのプロ18年間で、二塁、三塁、遊撃で計153失策。そのうち送球エラーは63しかない。「投手じゃないし、振りかぶって遠くへ投げても意味がない。ショートなら一塁まで50メートルもない。試合中にふわっとしたボールは投げないでしょ」。職人のキャッチボールは距離が延びても山なりではない。低い軌道のまま相手に向かっていく。

昨季から導入された統一球。微妙な変化で一塁手が捕球しにくくなった。回転のいい球を投げるための金子誠のチェックポイントは「顎と左肩、左肘の位置」。この3点を投げる方向へ一直線に向けることで「スコープ」の役割にする。右腕は小さいモーションで後ろに引く。リリースする前の姿は弓を引く型だ。

「後はしっかり足を使って投げる。基本だけど練習で100%できなければ試合ではできない」。一球一球しっかりステップを踏んで投げる。母校・常総学院で名将・木内幸男監督からの教えは「バットを振る筋肉はバットを振って、投げる力は投げてつくれ」。捕って、投げる。一見して単純な動作は、キャッチボールでの徹底した反復練習で体に覚え込ませた。

「僕は捕ることに自信がない。捕ったら確実にアウトにしたい」。さらに相手打者のデータ、味方投手の持ち球で一球ごとに守備位置を変更。若い頃に比べ守備範囲が狭くなった分、打球を予測してカバーする。「ファインプレーに見えないファインプレー」が金子誠のスタイルだ。

金子誠 こだわりの“内野手流”キャッチボール ― スポニチ Sponichi Annex http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/02/22/kiji/K20120222002681310.html

実際にあごと左肩、左肘を目標へ一直線になるようにして投げる動作をすると分かるのですが、きちんと身体の左側に壁ができます。つまり、悪い例である「投げる時に身体が開き、顔と身体と腕がバラバラになって送球が不安定になる」ことがないのですね。

コントロールと一緒に内野送球で必要なのが素早さ。普通の内野ゴロに見えても、早く投げているからアウトにしていたり、コンマ一秒の差でセーフ・アウトが変わったり……野球はそんな「一瞬の差」の世界です。「右腕は小さいモーションで後ろに引く」とありますが、僕の中のイメージでは「サッと右耳の横に持ってくる」。この右腕と左腕の動作がスムーズに行えて、初めて質の高い送球が試合でもできるのだと思います。

習慣付けという意味では、日々のキャッチボールから自分のポジションを意識した動きは大切です。野手ならばキャッチボールでもステップで投げると思いますが、それをピッチャーがやるのはもったいない。キャッチボールでも最初から左足をきちんと上げて投げれば、その日のバランスの確認や、体重移動の練習にもなります。

こういった基礎的な練習に、いかに自分の中で意味を与えるかが、上達の秘密なのだと思います。このマコッちゃんの投げ方、実際にやってみたいですね!

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