報われるか分からずとも積み重ねる人たち

3枚目の写真、今年で御年78を数える王貞治さんの一本足打法です。めちゃくちゃ綺麗ですよね。引退してから38年経とうが、何十万回と構えてきたフォームは、その身体から抜けることがありません。

今月頭に足を運んだジャイアンツのキャンプ地・KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎とその一帯は、とても広大です。端から端まで歩けば、ゆうに15分以上はかかります。その中にある木の花ドームやひむかスタジアム、新旧ブルペンや軟式野球場を、選手たちはバスやワゴン車で行き来しながら練習を積み重ねていました。

初めて訪れたプロ野球のキャンプは天国のよう。キャッチャーミットにボールが収まる爽快な音、バットが勢いよくボールを弾き返す気持ちのいい音が、途切れることなく耳に入ってきます。何時間も居座っちゃいますよね。

野球ファンにとっては天国でも、選手たちにとっては地獄かもしれません。止められないスイング、際限なく飛んでくるボール、上手くいったりいかなかったりする試行錯誤の日々。日本で一番野球が上手い人たちが、この720時間ずっと野球に向き合っても、それが報われるかはわからない。ましてや、それを何年も続けられる人はごくごく僅か。気が遠くなる話です。それでもバットを振り、ボールを受け止め続ける。77歳での美しい一本足打法は、その極地にあります。

木の花ドームの前に設けられたステージで開かれた抽選イベント。その司会を務めたDJの方が「叱咤激励は良いけど文句は違う」と話していました。スポーツには相手がいるのだから、上手くいく時もいかない時もある。選手はこのキャンプで身体を鍛え、技を鍛え、心を鍛える。ファンの我々も心を鍛えて、上手くいかない時は一緒に我慢し、勝った時は共に喜びましょう――。DJさんのお話を聞いて、ジャイアンツファンたるもの、こうでありたいと強く感じました。

同じく宮崎でキャンプを張っていた横浜F・マリノス。初めて目にした本格的なサッカーの練習は、野球と比べてずっと短いながらもコンセプトがはっきりと感じられた密度の濃い内容で、ウォーミングアップからとても興味深く観察させてもらいました。

サッカーは野球よりも選手との距離が近いですね。がっつりと練習をした後の選手たちにたっぷりとファンサービスをしていただいて、彼らをとても身近に感じられました。だからこそ、例えチームが良くない時でも、同じ声を出すならヤジや文句より声援を送りたいなぁと、改めて思います。自分や自分が作ったものがダメだったかどうかは、自分でわかりますもんね。

今シーズンもたくさんの勝ちと負けを楽しんでいきましょう!

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