
TVの前で手を叩いて爆笑してしまいました。人形劇をすると決めてから、食堂で仲間がどんどん増えていくシーンや、お話を考えるシーンでの美魚など、笑いどころがたくさんあってとても楽しかったです。ツボを抑えた、なんてすばらしいコンテ!
個別ルートの回ではどうしてもシナリオゆえの重厚感が出てしまうのですが、鈴のお話はシンプルな分まだ軽さがあって、他の要素も入りやすいですよね。また、それだけじっくり進めているということでもあります。
さて、レノンの尻尾についていた指令をクリアするお話では、必ず鈴が何かしらを学ぶということになっています。これまで、相手に友人として心を開くことを覚え、他人との距離感をもつということを学習しました。今回は一体何を学んだのでしょうか。
小毬ちゃんの無償の愛情
鈴と小毬ちゃんの性格は真逆です。なかなか他人に心を開けない鈴と、誰にでもオープンすぎるほどオープンな小毬ちゃん。ですが、鈴の一番仲良しな友人は小毬ちゃんです。誰にでもオープンだからこそ鈴に近づけたし、だからこそ鈴も心を許しつつあります。
小毬ちゃんは自分からどんどん与えていくのですね。しかもとことん積極的に、前向きに。とんかつがない人に自分のをあげる。人形劇をやったことはないけど、手伝う。理樹の不安を察知してメールする。徹夜で人形を作る。友人の成功を星に祈り、願い事を叶える権利をあげる。
彼女の行動原理は、これまで何度か出てきた「幸せスパイラル理論」です。今回のサブタイトルにも表れているとおり、他人の幸せが自分の幸せ。それを体現した小毬ちゃんの姿を間近で見ていたからこそ、鈴は理樹の力を借りることなく、人形劇をやり切ったのだと思います。
「いい。小毬ちゃんがこんなにがんばってくれたから、あたし一人でやらなきゃいけないって気がする」。鈴は、小毬ちゃんが力を貸してくれたのは自分であり、だからこそ成功させるのは自分でなければならないと分かっていたのです。鈴は与える側の小毬ちゃんを見て、与えることを学習する……というタイプではないのですが、与えられたからこそ、それにきちんと応えるということを学んだのではないでしょうか。
鈴はこういう点ではかなり律儀で、されたことには同等のことできちんと返すという習性があります。それ故、小毬ちゃんがしてくれたことには何か返さなきゃと思い、結果鈴から距離を縮めるという仲良しの構図になっているんですね。
2期アリアリな予感
今回、またひとつ物語の核心に近づくヒントになりそうなものが出てきました。2人の男女と8人のこびとの物語。Keyはこういうサブアイテムにストーリーの根幹を描かせるのが特徴的ですよね。
8人のこびとは誰を指すのか。こびとの悩みというのは、指令のことなのか、それともリトルバスターズの仲間たちの物語(ルート)のことなのか。
残り2話(てっきり25話が最終回だと思ってました)で物語の核心が明らかになるとは思えないので、これは分割4クールの期待大……! というか、姉御と朱鷺戸沙耶ちゃんの話をしてもらわないと小毬ます、もとい、困ります!
次回からいよいよ野球回。ここに来てとうとう謙吾にスポットがあたりそうですね。公式サイトのサムネイルを見るともうグッと来てしまうことうけあいなので、今からハンカチを準備して待つことにしましょう……!