リトルバスターズ!

リトルバスターズ!第26話「最高の仲間たち」感想 野球だー! リトルバスターズは最高だー!!

litbus26

 

 こんなに25分間、ずーっと笑顔のまま見られたアニメは久しぶりかもしれません。「リトルバスターズ!」らしい雰囲気を続けてくれて、観続けていてよかったと心から思える最終回でした。

 

 メインヒロインで一番核心に近いストーリーの姉御は、やっぱりリフレインに回してきましたね。そして朱鷺戸沙耶の出番はあるのか!? 沙耶ルートは他キャラとの絡みがほとんどないので、ちゃんと入るのかちょっと不安……。好きな子2人とも秋以降になってしまって、残念半分、とっておける感半分です。

 

 しかしやはりリフレインまで描くにはもう2クール(1クール?)必要でしたね。ゲームだと複雑な設定を自分で整理しないといけないのですが、アニメは整理した上で提供されるハズですので、じっくり楽しめそうです。

 

 さぁ、最後は今回語られた理樹のリーダー像と、これまでに理樹が築きあげてきたものを振り返りましょう。

 

恭介と理樹のリーダー像の違い

 恭介のリーダーというのは、想像しやすい典型的なリーダーです。自分から率先して行動し、みんなを引っ張って進んでいく……その中に少し大人っぽさを感じさせるのが恭介です。それゆえ、ついていく人にとっては「自分ができないこと」をやってのける人物に見える。理樹のように心酔するのもわかります。

 

 一方で理樹はどうでしょうか。彼は決して恭介のように引っ張る人ではありません。ですが、仲間に寄り添い、気持ちを共有することができます。みんなで足並みを揃えていくリーダー。それが理樹であり、また理樹にしかできないことです。

 

 言わば、理樹は「居場所」を作ることができるのです。恭介は次へ、次へと場所をどんどん移していくのですが、理樹は「ここがあなたの帰ってくるところだよ、ここにいていいんだよ」というものを作れる。

 

 「リトルバスターズ!」は、閉ざされた世界から救い出す物語です。現実を見られなくなった小毬も、人を信じられなくなった葉留佳も、ひとり消え行く美魚も、洞窟の牢に閉じ込められたクドも、みんな助けだしてきました。閉ざされた世界に「行ってしまった」人たちを救うには、「帰ってこさせる」しかありません。そして帰ってこさせるには、帰る場所がないといけない。理樹はその帰る場所を作り上げてきました。

 

 作中でも小毬ちゃんに言われていましたが、悩めるみんなにとっての居場所・リトルバスターズを作ったのは、まさしく恭介ではなく理樹なのです。

 

 ある意味、とても野球的だと思いました。例えばサッカーは退場者が出たら10人以下で試合をしますが、野球は必ずグラウンドに9人いないといけません。試合に出る選手には絶対にポジション=居場所があるのです。

 

「俺は知っている。お前はみんなの悩みを、自分のことのように悩んできた。一緒に苦しみを乗り越えて、みんなを救ったんだ。お前にしかできなかったことだ。」

 

 メンバーの守備位置や作戦に悩む……というより、リーダーを任されたことそのものに悩む理樹を、リトルバスターズのメンバーが助ける様子が描かれます。誰かを助け、その誰かに支えられ……互いのために何かをしようと思える、それが絆であり、それが強さ。

 

 26回通じて作り上げた理樹の才が、まさしくこれです。一人ひとりに寄り添い、居場所を作り、それを作った理樹や居場所そのもののためにみんなががんばれる。「リキはみんなを助けます。だから、みんながリキを支えます。」というクドの言葉は、理樹がその才でやってきたことのひとつの結果です。

 

 こうして結ばれたリトルバスターズの絆を表現したのが、最後の野球の試合でした。

 

 

これから紡がれる物語は

 結果は18−10でリトルバスターズが負けてしまったのですが、ものすごく楽しかったんだろうなぁと思いながら観ていました。同じ8点差でも、例えば8−0とは全然違うんですね。8点を追う立場でも10点取れているから、なんとかなるんじゃないかって最後まで思ってプレーできる。とても草野球らしいスコアですが、みんながとても楽しそうに野球をやっていて、こんなふうに野球が描かれて、野球ファンとして嬉しくてたまりません。

 

 みんながいて、みんなで楽しい時間を過ごして。この「野球をする」ことそのものに、理樹が作ってきたリトルバスターズがあります。「僕は思っていた。今がずっと続けばいいのに。いつまでも、いつまでも、このままで。」

 

 しかし、時間は止まりません。止まっているように見えるものでも、再び動き出してしまいます。発表された2期=リフレインで描かれるものはなんなのか。

 

 急にメタ的な話をしますが、僕らが物語を物語として楽しめるのは、それに発展性があるからです。その前提に依るならば、築き上げたものを一度壊しにかかるというのは想像に難くありません。壊すというのも「する」という意味でまた、発展性があるものです。

 

 そう考えると、あの予告も納得のいく感はあります。そしてリトルバスターズが壊れたとき、リーダーはどうするのか。難局を乗り越え、もう一度リトルバスターズを作ることができるのか。再放送を見直しながら、秋を待つことにいたしましょう。

 

 

「俺がいなくなっても、お前は歩いて行くんだ」

「僕は、強くなる。きっと

 

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