ラブライブ! 第9話「ワンダーゾーン」感想 または土地と人間関係、ふたつの「環境」についてちゅん(・8・)

ラブライブ! 第9話「ワンダーゾーン」感想 または土地と人間関係、ふたつの「環境」についてちゅん(・8・)

 前回でとうとう全員揃ったμ’s。次はどんなお話が来るのかと思いきや、一言でいうと「環境」にスポットを当てたお話でした。

 

 人を囲む「環境」というのはふたつあって、ひとつは地理的な場所。もうひとつは人間関係です。特に今回目立ったのは前者です。ここまで土地に言及したお話は、他の作品を観てもなかなかないのではないでしょうか。

 

秋葉原とミナリンスキー

 最近は「聖地巡礼」という、アニメのモデルになった実在の土地を訪れる行為が発展し、町おこしなどビジネス的な展開も見せるようになりました。ただ、あくまで舞台であり、背景なのですね。今回の「ラブライブ!」は、そこからもう一歩踏み込んできました。

 

 すなわち、土地と人間の関係です。

 

 人間、いる場所によってかなり変わります。極端なことを言えば、田舎で育ったか都会で育ったかで、人の感覚はだいぶ変わってくるのです。「この土地だったからこそ、○○はこんなふうになった」というのが、本来人間には備わっています。9話では、秋葉原という土地と南ことりという人間の関係を描きました。

 

 思い出したのが、秋葉原の名物だった路上パフォーマンスです。例えば銀座であれをやったら、秋葉原と同じように見てもらえるかは疑問です。下手をすると警察さんが来ちゃうかも。しかし、秋葉原では人だかりができ、観客が出てきます。路上パフォーマーがいておかしくない場所なんです。それを考えると、

 

 

「次々に新しいものを取り入れて、毎日めまぐるしく変わっていく。この街はどんなものでも受け入れてくれる。一番ふさわしい場所なのかもなって。私たちのステージに」

 

 

 という絵里の言葉がしっくりきます。誰が何をしてもいい(法に触れなければですが)、そこにいてもいい場所。A-RISEの人気は「アイドルの聖地」(絵里)である秋葉原をホームにしているという面もあると思いますが、だからといって排他的ではない。他のパフォーマーだって、スクールアイドルだっていてもいい。現実でそうである秋葉原を、アニメの中でもそのように描いたのが今回です。

 

 

「なんかね、この服を着ていると、できるっていうか。この街に来ると、不思議と勇気がもらえるの。もし思い切って自分を変えようとしても、この街ならきっと受け入れてくれる気がする。そんな気持ちにさせてくれるんだ。だから好き!」

 

 

 ことりは、秋葉原という街でメイドを続ける理由をこのように言いました。穂乃果や海未に対して劣等感を抱き、自分を変えたいと思っていたことり。伝説のメイドなんて言われるくらいですから、ことりにとって接客は天職と言ってもいいもの。可愛い服も着られる。そしてメイドがいてもまったくおかしくない街、秋葉原。自分の場所を作れる、生き生きとできる秋葉原で、ミナリンスキーさんは自分の思いや言葉に自信をもてるのではないでしょうか。

 

 「ラブライブ!」では、秋葉原は単純な背景ではないのです。

 

 

絵里の語る「友達」

 もうひとつ語られた「環境」は、人間関係です。劇中でことりは、

 

 

「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていくこともできないし、海未ちゃんみたいにしっかりもしてない」
 「私はただ、二人についていってるだけだよ」

 

 

 と語ります。

 

 μ’s結成時から、μ’sを動かしてきたのは穂乃果と海未でした。穂乃果は無意識に精神的支柱、リーダーをこなし、海未は練習メニューなど、活動の具体的な面を受け持っていました。穂乃果はもはや天性のリーダーであるとして、6話「センターは誰だ?」でリーダーについて議論した時、最初に名前があがったのは海未でした。凛に「副リーダーって感じだね」と言われていたとおり、ことりは二人から一歩引いたポジションにいたのです。

 

 一歩後ろからがんばっている二人を見るからこそ、自分も追いつかなきゃと思います。がんばらなきゃと感じます。僕なんかは「自分は自分」の気持ちが強すぎて競争意識が希薄なのですが、それでも友達と一緒に筋トレしたり、歌を歌ったりすると、自分もがんばらねばと思うものです。ことりから見て、穂乃果も海未も同い年、同じフィールドにいて、幼い頃から一緒。なおさら「自分も」と思うでしょう。これを説明したのが次の絵里の言葉です。

 

 

「自分のことを優れているなんて思っている人間は、ほとんどいないってこと。だから努力するのよ、みんな」
 「そうやって少しずつ成長して、成長した周りの人を見てまたがんばって。ライバルみたいな関係なのかもね、友達って」

 

 

 これをきちんと言葉で表現できる、2年生の3人に対して外からの視点を持てる絵里はやっぱり大人だなぁと思います。エリーチカのこういうところ好きだなぁ。だからこそ、海未はお礼を言ったのでしょうね。「ことりと穂乃果は、私の一番のライバルですから」とは、言うまでもなく「私の一番の友達」ということ。絵里の言葉を借りた、海未の表現です。

 

 「成長した周りの人」がいる。それこそが人間に作用する、人間関係というもうひとつの「環境」です。そして忘れてはならないのが、「成長した周りの人」を見てがんばろうと思う気持ち、意志です。この意志があって、人はまた成長し、変わることができます。ことりのそんな気持ちを受け入れてくれたのが秋葉原、というのは、前述したとおりです。

 

 

あのエアメールは……。

 最後の友情宣言(正直なところ、女の子同士のああいうコミュニケーションは見ているだけでもちょっとニガテ)のあとに、ことりの元に届いたエアメール。なんだか思わせぶりで、ことりだけ遠くに行っちゃうの!? と思ってしまいますが……。

 

 6話の引きでかよちんが「大変です!」と言い、その実、「ラブライブ」が開催されるということだった件。
 7話の引きで「廃、校……!?」と言いつつ、その実、オープンキャンパスの結果が芳しくなかったらの話だった件。

 

 を考えると、今回もそんな大したことではなさそう……と楽観視しています。海外にいるお父さんからの招待状→みんなで合宿! とかだったりして。もしそうなら、夏色やワンダラが出ないかなぁとちょっと期待しちゃいますね! 合宿っぽくもあり、水着もあり、髪ほどいたエリーもありと、次回も楽しみです。

 

 

lovelive9-2

 

 僕もエリちのワンダーゾーンに全力で飛び込みたい。

 

LEAVE A REPLY

*