ラブライブ!2期4話「宇宙No.1アイドル」感想 またはにこがなりたかったもうひとつの存在

ラブライブ!2期4話「宇宙No.1アイドル」感想 またはにこがなりたかったもうひとつの存在

 「夢なんかーい!」→「さぁ〜夢を〜〜かーなえーるーのはー」って繋ぎ方、思わず笑ってしまいました。かなっちゃイカン夢もある……じゃないけど、なんだか遊び心を感じるアバンでしたね。

 さて、今回はにこのお当番回です。可愛らしい妹、弟たちも登場して、『School idol diary』(以下Sid)を少し踏襲したような設定から、にこを深くまで描いた回でした。にこはずっとアイドルになりたいと思っている子ですが、この中で、もうひとつなりたいもの……いえ、“こうでありたい” ものがあるんじゃないかなと思いました。

 

にこがなりたかったもの

 Sidでもにこは友達を家に呼びたがりませんでした。それは「こんなにぼろっちくて、古っぽい小さな家。こんなところに住んでるなんて、みんなには絶対。見られたくない」から。アニメでも確かに、おうちはいかにも「団地」然としていましたし、テレビはブラウン管、その下にはビデオデッキとおぼしきものと、どちらかと言えば苦労人の家という具合に描かれていました。

 しかし今回、家が裕福でないということはそこまでプッシュされていません。にこが知られたくなかったのは、練習を休んで帰る理由の方。つまり、両親が出張でおらず、自分が妹や弟の世話をしないといけない。それをそのまま話したら、みんな――少なくとも穂乃果はきっと――興味を示す。すると、妹たちにμ’sのことを「バックダンサー」と話していたのがバレる。だからにこは、練習を休む理由を知られることを嫌がっていました。

家の中では、自分をμ’sの中心に据えるにこ
家の中では、自分をμ’sの中心に据えるにこ

 なぜにこはμ’sのことを「バックダンサー」と呼び、アイコラを自作してまでその設定を維持しようとしたのか。「家では元から、そういうことになってるの。別に、私の家で私がどう言おうが勝手でしょ。」と突き放すにこの気持ちを、希が推測します。

 

「多分、元からスーパーアイドルだったってことやろな。」
「きっとその時、妹さんたちに話したんやないかな、アイドルになったって。けどダメになった時、ダメになったとは言い出せなかった。にこっちが1年の時から、あの家ではスーパーアイドルのまま。」

 

 続けて花陽が「本当にアイドルでいたかったんだよ」と付け加えます。アイドルへの憧れをにこと共有する花陽は、アイドルがダメになったと言い出せなかったにこの気持ちを、他の7人よりも強く感じていたでしょう。

μ’sを突き放したにこは、一人はぐれてしまいます
μ’sを突き放したにこは、一人はぐれてしまいます

 ところで、にこの家に行く前に登場した次女・矢澤ココロは、にこの影響を色濃く受けています。パパラッチのこと、マンションのこと、バックダンサーのこと、受け継いでいる「にっこにっこにー」、果てはにこがそうさせたのか、長女のことを「お姉さま」とまで呼んでいます。にこのことを、微塵も疑っていません。それどころか心酔していると言っていいほどに慕っています。そしてそれは、ココアも虎太郎も同じ。

 にこは、そんな妹や弟たちのことを裏切れなかったんじゃないでしょうか。ココロやココア、虎太郎は、大切な兄弟姉妹であり、一番身近なファンでもあります。アイドルとして妹たちを笑顔にし続けると同時に、姉として妹たちの夢や希望を壊したくなかった。彼女たちのために、“自慢のお姉ちゃん” であり続けたかったんじゃないかと思うのです。

 にこのこういうところ、ものすごく人間臭いですよね。何かでありたいがために、ついウソをついてしまうという経験は、現実世界でもたくさんの方が経験していると思います。こういう人間臭いところも、にこの魅力のひとつです。

 

にこの決意

 1年生の頃を思い出し、あの時声をかけていればと後悔する絵里。秋の夕暮れのように暗くなるμ’sの中で穂乃果が「そうだ!」と出した案は、にこを本当にスーパーアイドルにしてしまおうというもの。ウソならばホントにしちゃえという “秀吉ホトトギスメソッド” です。現状から前に進む方法を考える、とても穂乃果らしくて良いアイディアですね。

 一方、夜のベッドで、月の光を浴びながら何かを決意するにこ。ここでは、本当のことをココロたちに話そうと思ったのではないでしょうか。

 μ’sの中にいた今までの矢澤にこは、ココロたちの前でスーパーアイドルとしているために、悪く言えばμ’sを引き立て役として “利用” していました(後輩の面倒を見る自分をアピールして人気獲得、みたいなことを度々企んでいましたね)。でも、「バックダンサー」などというウソをついていたのが当のμ’sにバレた今、にこは選択を迫られていたのです。すなわち、皆にバレているまま、そのウソをココロたちの前でつき続けるか、本当のことを打ち明けるか。

 これを考える中で、結局にこはμ’sのことを捨てられませんでした。もしかすると、にこがここまでμ’sと自分の関係に向き合って考えたのは初めてのことだったかもしれません。自分が思っていた以上に、にこの中でμ’sという器、そしてそこにいる人たちの存在は大きなものになっていたのです。だからにこは、本当のことをココロたちに話そうと決めました。

にこは自分を拾い上げ、もう一度見つめ直します
にこは自分を拾い上げ、もう一度見つめ直します

 そこに巡ってきた、ココロたちの前での “単独ライブ”。奇しくも、μ’sが場所を用意してくれたのです。しかも衣装はことりではなく、同じ3年生の絵里と希が、にこに似合うものを考えてくれた。「同じ学年でも正直一生友だちにならないタイプと思ってた」(Sid)とにこが語る3年生3人が、こんなに仲良しになっているのが、なんだか嬉しくてたまりません。
 そして希はこう呼びます。いつもの「にこっち」ではなく、「スーパーアイドル、ニコちゃん」と。

自分をもう一度μ’sに置き直した場所は、ここでした
自分をもう一度μ’sに置き直した場所は、ここでした

 大切な “ファン” の前で、スーパーアイドルはこう語ります。

 

「これからは、もっと新しい自分に変わっていきたい。この9人でいられる時が、一番輝けるの。一人でいる時よりも、ずっと、ずっと。」
「今の私の夢は、宇宙No.1アイドル・ニコちゃんとして、宇宙No.1ユニット・μ’sと一緒に、より輝いていくこと。それが一番大切な夢。私のやりたいことなの!」

 

 バックダンサーなんかじゃない。引き立て役でもない。にこにとってμ’sは、自分が一番いきいきとできる、大切な居場所、大切な仲間だったのです。そして自分もその一員になるからこそ、宇宙で光る一等星のように、一番輝くことができます。「アイドルでいる」その一段上に、本当にやりたいことを見つけたにこ。そう、彼女をアイドルから「スーパーアイドル」にしてくれるのは、他の誰でもない、μ’sなのです。

 

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