ラブライブ!2期1話「もう一度ラブライブ!」感想 または3年生の思いと穂乃果の成長について

ラブライブ!2期1話「もう一度ラブライブ!」感想 または3年生の思いと穂乃果の成長について

 2013年のこの時期にアニメ1期が終わり、それから約1年。μ’sの物語が再び動き出すことに、嬉しさを感じずにはいられません。作中で彼女たちを見守る人たちのように、僕らもμ’sの活躍をワクワクしながら見届ける。そんな3カ月が始まりました。

 

 このブログではまた1期のように、1話ごとに感想を書いていきます。よろしければぜひお付き合いくださいね。

 

 さてさて、色々と考えを巡らせる前に、率直な感想から……。

 

率直な感想

 アバン。理事長の挨拶が終わり、生徒会長からの一言へと移った際に、絵里が起立して拍手します。出てきたのは穂乃果。彼女は「生徒会長の高坂穂乃果です」と名乗ります。

 

 ああ3年生はこれから高校生活に幕を引く準備に入るのだなと感じさせられました。3年生ファンとしては、少なからずショックです。放送当時は、これを引きずってイマイチのれないまま観ていました。

 

 3年生ファンとして、これからは終わりを意識して観ざるを得ません。1話で二度三度話題に上がった「卒業」を経て、『ラブライブ!』はどうなるのか。きっぱり終わるのか、新1年生が入ってきて続くのか。前者の方が受け入れられそうだな、というのが正直なところです。もし新1年生が入って続いたとして、僕はそのままこの作品を追いかけるだろうか……その時になってみないと分かりませんが、今のところ自信はないです。

 

 しかしこの展開は、『ラブライブ!』である以上つきものだし、受け入れなくてはならないものです。なぜなら、これは「スクールアイドル」の物語。普通のアイドルでさえ”卒業”します。ましてや<スクール>アイドルなのですから、卒業を描かなければウソになります。

 

 たびたび、「『ラブライブ!』は野球にそっくりだなぁ」と感じます。夏の甲子園があんなに輝いているのは、”最後の夏”だから。μ’sの”最後の春”は、どんな花を咲かせるのでしょう。これこそ、見届けなくてはいけません。

 

 

「本当に、出なくていいと思う?」

 2期の物語は、第2回ラブライブの開催決定から始まります。もう一度出るんだと俄然沸き立つμ’s。ところが当の穂乃果は、みんなの思いとは真逆のことを口にするのです。「出なくていいんじゃない?」

 

 真っ先に出ようと言いそうな穂乃果が「出なくてもいい」と言ったことに驚くメンバーたち。にこが説得を試みるも、街に繰り出すことではぐらかされます。その夜、穂乃果を除いた電話会議でも、穂乃果の真意は読み取れないまま。

 

 翌日、朝の学校で絵里に会った希はこう尋ねます。

 

「絵里ち」

「本当に、出なくていいと思う?」

 

 これ、誰のことを思って言ったんだろうって不思議に思ったんです。絵里? にこ? 穂乃果? それとも自分?
 いいえ、僕はこれを、3年生3人のことを思って言ったことだろうと考えます。

 

 μ’sの中の3年生は今までずっと、まとめ役、バランサー、ムードメーカーとしてμ’sを支えてきました。ラブライブに出たいというのは、その3年生が、おそらく初めて出したエゴなんじゃないでしょうか。

 

 単純な話です。そりゃあ、最後に思い出を作りたい。みんなと一緒にもう一度何かを目指してがんばりたい。思い出してみれば、μ’sに入った最後の3人はにこ・希・絵里の3年生たち。そして9人になってから、μ’sは廃校阻止以外の目標……もっと言えば、「○○がしたい」という内的要因をもとに何かを目指し、がんばったことはまだひとつも成就させていないのです。

 

 卒業する前に、もう一度みんなで一緒にがんばりたいと思うのは自然なこと。でも、希はそれを口にしません。ゲームセンターの外で穂乃果に「どうしたの?」と尋ねられても、「ううん、何でも」と言ってしまう子なのです。A-RIZEの映るビジョンを見つめ、きっと何か思うことがあったはずなのに。

 

 ところが、何も言わない希や絵里の気持ちを代弁するかのように、穂乃果に突っかかる人がひとり。そう、矢澤にこその人です。

 

 別に本人は代弁しようなんてこれっぽっちも思っちゃいないでしょう。ただ「ラブライブに出るチャンスがあるのなら、出たい」という気持ちを、穂乃果に真っ向からぶつけている。これが結果的に、希や絵里の押し込んだ思いをも表現しているように見えます。この3人の関係性! ああ、だから3年生は愛おしい! にこちゃん男前!

 

 穂乃果は結局翻意し、μ’sはラブライブにエントリーすることになります。そこをもう少し掘り下げていきましょう。

 

 

穂乃果の成長

 海未が見抜いた、穂乃果がラブライブエントリーに消極的だった理由はこうです。

 

「また自分のせいで、みんなに迷惑をかけるのではと心配しているのでしょう?」

「ラブライブに夢中になって、周りが見えなくなって、生徒会長として学校のみんなに迷惑をかけるようなことはあってはいけないと」

 

 これに対して穂乃果は「お見通しだね」と言うわけですから、これで正解なのです(この理由があった上で、「出るのは難しいかな……」などではなく「出なくてもいいんじゃない?」という言葉をチョイスしてしまうことには、正直引っかかるものがありますが)。

 

 外的要因に振り回されず、内的要因と向き合い、自分のやりたいことをまっすぐに見つめ、そこに向かって突き進む。これは1期の13話で既に通過したところです。なぜこのことをもう一度繰り返すのでしょうか。

 

 僕はこれもまた、穂乃果の成長だと思います。

 

 学園祭ライブでセンターボーカルを任された穂乃果は、自分ががんばらなくてはいけないと無理をしてしまいました。そしてそこから連なって起きた”ことりショック”。これは穂乃果の中で、明確に失敗として記憶されているはず。現在就く生徒会長の職は、言わば生徒全体の中の”センターボーカル”です。あの時の反省を踏まえ、周りをちゃんと見ること、立場をわきまえて行動するようになったのは、穂乃果の成長です。ことりに一度気持ちを確認しているのも、この意識のもとでの行動。あのことは、穂乃果の中でちゃんと糧になっているのです。

 

 

 しかし一方で、彼女の本質はそこではありません。ラブライブへの出場をみんなに促され、穂乃果はもう一度原点に還ります。今、やりたいことは何か。「本当はものすごく出たいよ!」自分の正直な気持ちはこれ。そして目の前に可能性がある。もう一度、ラブライブに挑戦することができる。ならススムしかない。学校存続だろうと卒業だろうと生徒会長だろうと関係ない。μ’sはそうやって前に進んできたのです。

 

 これからの12話の目標が決まりました。μ’sはこれから「この9人で残せる最高の結果、優勝」を目指します。そう、今度は「9人の、最後のライブ」から逃げなかった。これこそが、穂乃果の一番大きな成長だと思うのです。

 

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