僕がチャントを歌う理由

僕がチャントを歌う理由

J1第9節、ホームのガンバ戦。残念ながら0−1で敗れてしまいました。日産スタジアムでガンバに負けたのは8年ぶりなんですね。前半はうまく誘い込みながら守れていたのですが、先にゲームを動かされて負けてしまいました。

ゴール裏にいたので、試合後の一連の揉め事は遠巻きながら目にしていました。その上で、自分なりの考えをしたためようと思います。

勝ったらうれしい、負けたら悔しい。当たり前のことですよね。問題は「負け」というネガティブな要素を、どんな風に受け止めるのか。僕は「悔しさを噛み締めながら、しっかり反省して、切り替えて前に進もう」が良いです。定番の回答ですね。大体の人は同じように答えるかもしれません。

だから、敗戦後にもチャントを歌うのは大いに賛同します。なぜ「だから」なのか?

僕は昔、野球をやっていました。今は本を作っています。スポーツと創作に共通するのは、「悪いところはわざわざ他人に指摘されなくても自分が一番よくわかっている」ということです。僕が試合でダメだったところ、僕の作品で至らなかったところ、僕が一番知っています。

もちろん、スポーツや創作に限りません。一般的な社会人さんや学生さんでも、仕事でうまくできなかったとき、試験で良い評価が取れなかったとき、何が悪かったのか、自分でわかりますよね。人間はつい悪い点にばかり目を向けてしまう生き物なので、尚更のことです。

でも、悪かったことはわかっても、そこから切り替えるのって本当に難しい。自分で自分を奮い立たせる難しさは、皆さん月曜日の朝に何度も経験しているでしょう。しかし、そこでちょっと背中を押してもらえると、不思議とまたがんばれちゃう。本を作るのはめちゃくちゃ大変ですが、読者さんからのコメントは本当に活力になります。

選手だって、至らなかった部分は自分でわかる。映像を何度も見返して反省する。そこまでは自分一人でできるし、チームとしても行う、ごく一般的なことでしょう。だからこそ、一番難しい「切り替えて前に進もう」の部分にサポートが必要。そしてそれができるのは、文字通りサポーターなのです。ゆえに、僕はチャントを歌います。

 

選手は全員他人です

選手はストレスのはけ口ではありません。そりゃあ、不甲斐なかったら「Boo」とブーイングをしていいと思います。僕にはその感覚はありませんが、それもサッカー文化のひとつなのでしょう。けれど、ブーイングと暴言を履き違えてはいけない。

「は!?どうして●●しないんだよバカが!」柵の前で立ち見していた男性の口から放たれた言葉ですが、選手があなたの言うとおり●●しないのは、ゴール裏という見づらい席からではわからない事象、年がら年中サッカーのことを考えている人なりの思考と選択があるからです。

スポーツが好きならば、選手という「人間」を尊重するのは、ごく当たり前のこと。一緒に戦っていると言いながら、負けたときだけ敗れた選手にストレスをぶつけるのはズルい。一緒に戦っているならば、一緒に噛み締めるものでしょう。

応援している人にとって選手は他人です。応援している人は監督ではないのですから、自分の思う通りに動かなくて当然。そして、試合には「相手チーム」というもう一人の他人がいます。こっちなんてもっと思い通りにならない。「応援」には、自分の理想なんて全部捨てたほうがいいくらい、コントロールできる要素が少ないんです。

 

「毎試合、一番試合を楽しんでいる自信がありますよ」

スポーツでは何でもそうですが、負けると自分たちの悪い点ばかりあげつらってしまいます。あいつが上手く機能してない、交代が遅い、監督が悪い……前述のとおり、人間は悪いところばっかり見てしまうものですから。でも、それらは全部コントロールできないものです。それに取り憑かれて文句を垂れ流しても、好きなクラブのためにはならないのではないでしょうか。

それに、相手が良かったから自分たちが悪く見えるなんてこと、スポーツには山ほどあります。今日の試合も、ちんたらやってたF・マリノスの選手は一人もいませんでした。「やる気ありますか?」「言い訳はいらない」なんてハッシュタグを付けてTweetされるような動きの選手が果たして本当にいたのか、よく試合を見てほしい。

でも負けた。選手交代後に相手のオフェンスが機能したし、長谷川ガンバらしい要所を締める守備で無失点に抑えられた。見事なまでの力負けです。勝負事には必ず相手がいますから、こういうことはままあります。正直なところ、優勝は目指すべきですが、優勝を狙えるチームかというと、まだそうじゃないかもしれない。じゃあ、チームが力を付けるためにできることって何なんでしょう。少なくとも「バカか」と大きな独り言を口にすることではありません。

帰り道、同じような考えのサポーター仲間が言った「僕は毎試合、ゴール裏で一番試合を楽しんでいる自信がありますよ」という言葉は一生忘れないくらいステキでした。僕も彼みたいに、どんな試合でも思い切り楽しみたい。負けても次に進めるよう応援したい。横浜F・マリノス、好きですから。

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