中村俊輔選手がいなくなっても

 マリノスを応援するようになって、今年で6年目になりました。2011年からJリーグをチェックしはじめ、自分が育った横浜の街にあるクラブを応援して以来、中村俊輔選手はずっとキャプテンを務めてきました。

 日本代表の彼を見たことはあっても、クラブチームにいる俊さんを見るのは初めてのこと。周りのマリサポ仲間は「俊輔」と呼ぶけれど、サポーター歴の浅い僕がそう呼ぶには何だか恐れ多くて、「俊さん」と呼んでしまいます。

 俊さんは、僕が見てきたわずかな間でも、すばらしいプレーをたくさん見せてくれました。何度もVTRを繰り返したフリーキック、ずっと野球をやっていた僕からするとどうやっているのかわからないようなボールコントロール、勝つために一番危険なポイントまで全力でプレスバックする執念。その姿は心強いの一言でした。

 その俊さんが、ジュビロ磐田に移籍するという。

 

 たくさんの人が、たくさんの思い出を俊さんに対して抱えていることでしょう。このウルトラレフティは「俺らの誇り」でした。つまり、「いてくれるだけで自慢になる」んですよね。そりゃそうです、あれだけわかりやすくスゴいプレーをする選手が自分のチームにいたら、誰にだって、どこにだって胸を張ることができます。そんな選手が去ることに、寂しさはもちろん、「惜しい」という気持ちを持っている人も少なくないのではないでしょうか。

 だからこそ、2017シーズンは俊さんのいるジュビロ磐田を――乱暴な言葉を使いますが――完膚なきまでに叩きのめさなくてはなりません。

 この移籍で、彼は「純粋にボールを追っかける」環境を手に入れることでしょう。それは俊さんにとって良いことだし、祝福したい。と同時に、この移籍でF・マリノスも新しく生まれ変わることができた、より強いチームになれたと証明したい。両者にとって正解だったと思えるようになってほしいのです。

 幸い、その片鱗は2016年の天皇杯準々決勝、準決勝で見ることができました。あのフットボールを見ていたら、クラブが目指す方向は間違っていないと思うのです。あとは、ライトなサポーターながら一生懸命応援するのみ。

 以前「マリノスがマリノスじゃなくなる」なんて言葉を目にしましたが、痛ましい墜落事故によって何人もの命が犠牲になったシャペコエンセも、そのたくましさをもって「シャペコエンセ」というチームであり続けています。誰がいても、誰がいなくなっても、F・マリノスはF・マリノス。そしてこの「F」のことを思えば――“クラブの象徴”と言われる人がいなくなっても、クラブそのものがなくなるわけじゃないことを思えば、それはとてもありがたいことなのではないでしょうか。

 うれしさも悔しさも、本当にいろんな景色を見せてくれた俊さんへの感謝の意を示すとともに、それを胸にしまって、今年も応援し続けます。僕は「横浜F・マリノス」が好きなんです。

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  1. 船乗りH 2017.01.10 1:27am

    素晴らしいブログでした。
    ありがとうございます。

    2017年はマリノスの年になりますように。

    • ばかいぬ 2017.01.14 11:10pm

      >船乗りHさん
      コメント、そしてお褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。
      今年は新しいマリノスの元年になりますように!

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