言葉を出してみる

現在の職場は周りにお昼を食べられるところが少なく、また喫茶店なども皆無なので、
冬の寒い時期には昼休み中、ずっとマクドナルドにいる日が続いていました。

 

連日通っているうちに、ある店員さんになんとなく覚えられて、オーダー以外の話も少しするようになったんです。
そんなに栄えている町でもないし、来る人も決まっていたでしょうから、覚えやすかったんですね。

 

あまりお客さんもいなかったせいか、いつしかマクドナルドはなくなり、サブウェイになりました。
ありゃ、せっかくちょっと仲良くなれたのに……。
なんて思っていたら、なんとその店員さんと東京駅のマクドナルドでばったり。もちろんカウンター越しにね。

 

「あ、こんにちは~」なんて挨拶して。
聞けばそこ以外に、職場近くのサブウェイでも引き続き働いているんだとか。
「じゃあ今度行きますね!」って言って、その日は別れました。

 

以来、サブウェイには週1~2くらいで通うようになっています。
お野菜摂れるし、食べた後もゆっくりできるのはそこくらいなんだよね。
他の店員さんにも顔を覚えてもらったりしました。すっかり常連。

 

そんなある日、店員さんのお母様にお会いしたのです。
お母様もサブウェイで働いていらして、たまたま上がってお店を出たところに僕が通りかかったんですね。

 

他愛ない会話をしている中、お母様がぽつりと口にされました。
「あの子、マクドナルドでお兄さんに話しかけられたとき、すごく励みになったって言ってたんですよ」

 

マクドナルドという大きな組織の店員だし、ましてや東京駅という有数のターミナル駅にある支店。
なかなかにプレッシャーもあったんだと思うわ、とおっしゃっていました。

あー、言葉っつーのは出すもんだなーーーと……。

こっちとしては、そんな気は微塵もなくて、知り合いに会ったくらいの気持ちだったんです。
でも、何気ない言葉が自分の知らぬ間に、勝手に人を救ったりするんだなって。

 

感動を狙う必要もなければ、見返りを乞う必要もない。
他人の中に自分の意味を求めない。
ただちょっとだけつながりを作ってみたら、それがいつの間にか意味をもっているかもしれない。
そんぐらいでいいんだよと、勉強させてもらった出来事でした。

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