2014年ジャイアンツ優勝にそえて

2014年ジャイアンツ優勝にそえて

 3連覇達成! ブイスリャー!!

 

 個人タイトルを獲れる成績を残している選手は、野手ではいません。投手陣も、去年、一昨年を支えていた“スコット鉄太朗”がシーズン当初から不安定。例年になくマイナス要素がいくつも重なる中でのシーズンでした。

 それでも、春はエース内海がまったく勝てない中で菅野が奮闘。打線では新戦力の片岡、一軍に定着した橋本が地力を見せて打線を支えました。菅野が離脱したあとは小山が台頭。阿部の負担を減らすために起用された小林が好打・好リードを見せます。何より、一年を通じて安定感のある打撃と好守を見せた坂本勇人。こんなに安心して見られた勇人は今年が初めてです。隠善も、加藤も、實松も、香月も、セペダだって……。

 

 名前を挙げればきりがないくらい。それほど、全員の力が必要だった。一軍の試合に出なかった選手も含め、もちろんスタッフも入れて、誰一人として必要のない人はいなかったのです。79勝の中で1勝でも落としていたら、結果は違っていた。原辰徳監督を先頭に、誰もが1試合の中での、1年の中での勝負どころを把握しており、そこでしっかりと力を発揮したからこそ、何度も訪れた天王山をすべて(本当にすべて)勝利することができたのでしょう。

 

 「総6番打者打線」とは言い得て妙です。首位打者争いも本塁打王争いをする選手もいません。けれども、投手陣がチームを支え、勝負を仕掛ける場面では一気呵成に攻めて取り切る。本当の意味で「野球がうまい」チームだったと思います。極上の野球を見られたことが嬉しいし、それが贔屓チームであることに、この上ない幸せを感じています。

 

 明日からCSへ向けての準備が始まります。ここ2年よりずっと難しいシリーズになるでしょう。そんな試合を経験することで、ジャイアンツはどんどん強くなっていきます。選手がどんなプレーを見せ、どれほどの成長を遂げてくれるのか。原監督と糸井重里さんとの対談で出てきた、僕の好きな言葉を最後に記しながら、楽しみにしていようと思います。

原   なんというか‥‥
   チームを動かすなかで、
   こうありたいとか、こうしたいとか、
   こういうふうにするぞ、とかっていうのは、
   「ウソのはじまり」なんです。

糸井  あ、そうですか。
   つまり、違う方向へ進んでしまうというか。

原   ええ。
   理想は理想で、持っていいんですよ。
   ただ、やっぱりね、
   ひとりひとりの選手には、
   理想とか想像を超越するほどの、
   もっとすごいパワーがあるわけです。

糸井  ああー。

原   自分の小さな理想とか固定観念で、
   チームをつくろうとしたって、
   たいしたチームはできないですよ。

糸井  監督の我を通すみたいなことをしたら、
   いいチームにはならないと。

原   そこそこはできるかもしれないけど、
   最上級のチームにはならないと思いますね。

糸井  おもしろいですね、そこは。
   つまり、監督の考える理想なんかより、
   現実のほうが豊かだってことですよね。

原   そうです、そうです。
   はるかに、豊かなんです。

糸井  はーー。

原   そこを信じなければ、
   チームの指揮を取ってても
   おもしろくないですよ。

野球の品格。

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