リトルバスターズ!第12話「無限に続く青い空を」感想

litbus12

 

 今まで美魚の回があったと思ったらみんなでワイワイ回が挟まったり、あまりルート関係なくイベントを拾っている印象だったのですが、今回でいよいよ美魚ルートが確定してきましたね。

 

 「リトルバスターズ!」は、一見みんなで騒いでいるだけのイベントでもそれが後々個人に関わってくる、みたいなパターンが多いのですが、12話のキーイベントは「短歌作り」でした。

 

 前半では理樹が美魚のリトルバスターズへの勧誘に成功、彼女は練習に参加します。練習後にお茶を用意するなど敏腕マネージャーぶりをいかんなく発揮(?)し、女性陣とも携帯番号やメルアドを交換するなど、仲間に溶け込みつつある美魚が描かれていました。

 

 そして、恐らく美魚のためでしょう。「西園、この企画はお前がいなくては達成できない。どうか力を貸してくれ」という恭介が企画したのは、短歌コンクールへの応募。美魚が先頭に立つ企画を用意することで、より深く溶け込ませようとしました。こういうの、さり気なくやっちゃう恭介はカッコいいですね。
 しかし、美魚は途中でひっそりと姿を消してしまいます。

 

 なんかこういうの、経験にあるなぁと……。なかなか人の輪に入れない友人が仲間になれるように色々と考えるんですが、気づけば元いた仲間と盛り上がっちゃって、温度差が生じてしまったり。あるいは逆に、盛り上がる人を尻目に、バランスを取るようにこちらが冷静になったり……。仲間にしたつもり、仲間になったつもりでも、ふとした瞬間に我に返るような体験、ありませんか?

 

 美魚の途中退室はそれに近いものだったんじゃないかと想像します。ただ、彼女は別にその空間を嫌ったわけではなかった。

 

 「戸惑っているんです。こんなふうに、にぎやかなのもいいと思っていることに」
 美魚はそう話します。今までの自分に申し訳ないと思っている、とも。

 

 美魚は本当はそう過ごしたかった。しかし何らかの理由でできなくなってしまった。仲間と賑やかに楽しく過ごす人生ではなくなってしまった。
 だから本を読む。本の中では、仲間と賑やかに過ごせるから。「今までに出版されたすべての本」は、美魚の友人になるような存在、いわばクラスメイト。
 だから紙飛行機に乗って、無限に続く青い空を飛びたいと願う。何にも染まらない、というよりは、何にも混ざらないという決意。それは仲間と賑やかに楽しく過ごすことを選べない人生を受け入れるための決意です。

 

 しかし実際はできてしまった。リトルバスターズがその可能性を示してくれた。そしてそれを「いい」と思ってしまった。だからこそ、今までの自分=仲間と賑やかに楽しく過ごさないことを受け入れた自分に申し訳ないと思ったのでしょう。

 

 紙飛行機にはもうひとつ意味があります。空の青にも海のあをにも染まらない、白い紙飛行機、白鳥。それは自己の確立です。10話で若山牧水の歌を「希望に満ちている」と表現した美魚ですが、それは白鳥の中に「確固たる存在」という意味を見出したからです。白い紙飛行機も同じこと。さらには「どこかにずっと飛んでいけたらいいのに」というのは、現状の変化を願っているのでしょう。つまり、美魚は自分を確固たる存在と思っていない。(なんだか占いみたいになってきました)

 

 そこで出てくるのがもう一人の「西園さん」。理樹だけでなくクラスメイトも見かけたということは、いるのは確かなようです。彼女の正体は? そして美魚の「遅すぎる」の意味とは? 次回に続く!

 

 ……蛇足ですが、美魚のくすくすという笑い声、めっちゃ可愛かったですね。

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