アニメ「艦これ -艦隊これくしょん-」第2話「悖らず、恥じず、憾まず!」感想 または吹雪の“生き方”について

 第1話で早くも露呈してしまった、吹雪の運動能力のなさ。この2話でも、ひとつのきっかけとなっています。

 学問・兵装の知識は十分に備えている吹雪。面倒くさがらない子らしく、よく勉強していることが伺えます。が、実践するとなるとまるでダメ。提督は「特型駆逐艦はこれからの戦いに必要」と期待を寄せますが、傍から見ていても応えられるとは思えません。

 しかし、彼女の目標は高く、赤城のようにみんなを守れる存在になりたいという。そこで吹雪は、「手本」として赤城を観に行こうとします。

 

赤城の人間臭さ

 赤城を探して行き着いた入渠ドック――実質、お風呂ですね――で、思わず「くぅ〜」と声が出てしまうほど堪能する姿を、当の赤城に見られてしまった吹雪。恥ずかしいところを見られたと思ったでしょう。しかし、高速修復材を入れてもらった赤城もまた、同じような声を出します。

 ドックから上がったのち、赤城と一緒に食事をする吹雪。そこで目にしたのは、大盛りのカレーに舌鼓をうつ赤城の姿でした。

 赤城を探しに行く前、吹雪は目を輝かせながら、手本として赤城を見に行こうと夕立と睦月に話しました。逆に言えば、そのような口実がないと、かの“エース”にはなかなか近づけないとも言えます。1話でも、3人は演習場にこっそりと忍び込んでいましたよね。つまり、そのような意味で赤城は“近寄りがたい人”だったわけです。身分が違うといいますか。

 しかし、お風呂や食堂で吹雪の前にいたのは、艦隊のエース・赤城ではなく、一人の女性・赤城だったのです。気持ちよくお風呂に入り、美味しそうにカレーを頬張る。憧れのカッコいい先輩の可愛いところ、もっと言えば人間臭い部分を見ることができた。きりりとしたところと、優しいところ、それでいて自分たちにも近しいところ、赤城のそんなところを見たからこそ、「赤城先輩って、やっぱりステキだなって思って」という言葉が、吹雪の口から出てくるのです。

 そういう憧れの人の、パブリックなイメージとは少し違ったところを見られたことって、自分だけが持っている宝物みたいなもの。だから「それは、ヒミツ」なんですね。

 吹雪は赤城に感じたシンパシーを、自分の力とやる気に変えようとします。自分も、「赤城先輩も同じ艦娘なんだもん。私にもきっとできるよ」と。

 かくして、やる気をみなぎらせる吹雪でありましたが、彼女を待っていたのは、昼夜を問わない特訓でした……。

 

水雷魂と吹雪の“生き方”

 夜行性の川内と朝までバランス特訓。朝から神通と砲撃練習。日中は那珂との、旗艦や秘書艦になるための(?)アイドル特訓。断れない吹雪は、丸一日ぶっ続けで訓練を行うことになってしまいました。

 川内型の吹雪の扱いに憤る睦月ですが、この特訓も、吹雪が出撃できないなら艦隊から外すよう提督に進言する、と長門が言ったからのこと。つまり、川内型三姉妹は吹雪に第三水雷戦隊にいてほしいのことです。

 これは、配属されてからわずかの間に、吹雪がきちんと仲間として受け入れられていることの証左。一体なぜでしょうか?

 

 丸一日練習をして疲労困憊であるはずなのに、吹雪は言われずともスクワットを始めます。

 彼女の“才能”は、「根性だけはある」、そして「心がきちんとしている」こと。

「見事な水雷魂だ」

「水雷魂?」

「水雷戦隊に必要な、心意気みたいなもんだよ。悖らず、恥じず、憾まず」

 素直に人の話に耳を傾け、自分はダメだと言って足を止めたり、「なぜ私ばっかり」などと不満を抱くことがない。吹雪は、「赤城のようになる」という目標を燃料にして、純粋に努力を重ねられる子なのです。

 彼女のその“生き方”とでも言うべきものを言葉にするならば、「悖らず、恥じず、憾まず」。すなわち、水雷魂です。

 だから吹雪には協力者が現れるのですね。誰も見捨てない。脳天気に見える那珂でさえ、魚雷の撃ち方をレクチャーしてほしいと北上に頼み込むほど。「直すべきところを教え、進むべき道を示し、経験を重ねていけば、彼女は飛躍的に成長する」ということを、みんなわかっているのです。

 いつしか第三水雷戦隊は、吹雪を中心にひとつにまとまっていました。「悖らず、恥じず、憾まず」は、周りをも巻き込むほどに固く強い、吹雪の“生き様”なのです。

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