「3」の中の本田未央の役割―アイドルマスターシンデレラガールズ第2話 感想

 346プロに初めて足を踏み入れた島村卯月と渋谷凛。そこで「シンデレラプロジェクト」最後の繰り上げ合格者・本田未央と出会います。

 まだ卯月や凛のことをシンデレラプロジェクトの一員だと把握していない状態でも、未央はお構いなしに話し掛けています。この子は壁を乗り越えてくるどころか、他人との間に壁も溝も作らない。この未央の性格もあり、3人はお互いに緊張感や警戒心を抱くことなく、早速ダンスレッスンをこなします。

 その後、346プロの中を探険しにいくわけですが、「アイドル多すぎない?」と凛が口にしてしまうほど、彼女たちは道中で多くのアイドルとすれ違います。確かに、200人近くのアイドルを抱えているわけですから、346プロの建物が765プロと同じ規模というわけにはいきませんよね。

 これだけたくさんのアイドルがいる中、3人はシンデレラプロジェクト参加者として、ともに選ばれた11人に出会います。

 

メイクの思わぬ効果

 宣材、アー写を撮るという「最初の仕事」に訪れた3人。そこで彼女たちが出会ったのは、赤城みりあ、城ヶ崎莉嘉にはじまる、個性豊かな11人のアイドルたち。これからともに過ごす“仕事仲間”です。

 さらに、莉嘉の姉にして“カリスマJKモデル”城ヶ崎美嘉も登場。モデルである美嘉は一足先に撮影に入ると次々とポーズを決め、仕事を順調にこなしていきます。新人の3人は、その風景にただただ驚くばかり。

 さて、出番が近づき、メイクを始める卯月たち。この「メイク」というもの、実は僕も一度だけやってもらったことがあるのですが、きちんとした服に着替えるのと似ているなと当時思いました。月並みな言葉を使えば「違う自分へと“変身”する瞬間」です。

 もちろん、彼女たちも日常的に自分でやっていたかもしれません。しかし、他人にしてもらうというのはまた違う感覚でしょう。ましてや、プロのメイクさんの手で施されるもの。ここで卯月たちはすっかり“非日常”へと放り込まれてしまったのです。

 緊張の面持ちで順番を待つ3人、そしていざ出番となりカメラの前に立つと、自分ではまったくコントロールできないほど硬くなってしまいました。

 

「3」の中での本田未央

 この後、Pの進言で3人一緒に撮ることとなった卯月たちは、渡されたボールで遊ぶうちに、普段の自分自身を取り戻していきます。

 これは、「3人が」「輪になった」からこそできたことです。

 

 1人でカメラの前に立つと、どうしてもレンズを意識して硬くなってしまいます。ましてや「仕事」と言われて来ているわけですから、つい「アイドル」になろうとしてしまう。でもそれでは、アイドルになれない。彼女たちをアイドルにするために必要な「笑顔」が出ないからです。

 しかし、3人が互いに向き合うことで外への意識がなくなり、自然な笑顔が出るようになった――つまり、アイドルになった。

 これは「3人」だからできたことなのです。

 人間は「3」以上集まっているものを「集団」とみなします。クラスにやんちゃなヤツが2人いる状態と、3人いる状態を想像してみてください。3人のほうがなんとなくクラスの空気が違う気がしませんか? それは、「2」だと一人ひとりを個人だとみなすところ、「3」だと「やんちゃな“集団”がいる」という印象を抱くからです。

 未央が入ることで、卯月と凛は「集団」になることができました。これが2人でボールを使って遊べと言われても、果たして同じように硬さが取れたかというと、上手くいかなかったんじゃないでしょうか。

 加えて、(卯月や凛から見れば)加わったのが未央であることが大きかった。切り込み隊長兼ムードメーカーの彼女は、撮影スタジオにも、カリスマJKモデルにも物怖じしませんでした。3人目がそんな性格だったから、出会ってたった数時間しか経っていない彼女たちは仲良くなることができた。もしかしたらPは、3人が遅刻してきたことでなんとなく気づいていたのかもしれません。あちこち歩きまわったり、話が弾んだりしたから遅れた。それは、3人が意気投合した証でもあります。

 最後の集合写真に収まらないところもまた彼らしいですね。アイドルと一定の距離を置いている……どこか、仕事として割り切っている面もあるのでしょうか?

 

乗れていなかった凛

 撮影を終えた卯月たちに降ってきたのは、美嘉のバックでライブ出演するという大きなオファー。

 三者三様の反応をする中で、ひとり戸惑っていたのが凛。「ライブ楽しもうね!」と美嘉に言われた際に、困り顔で下を向いていたのが印象的でした。

 「こんな簡単に決まっていいのかな」と困惑する彼女は、言葉を選ばずに言えば、この2話でずっと置いていかれていました。

 346プロの敷地内を探検していく中で次々にすれ違う有名アイドルに、卯月と未央はすっかり興奮状態。その傍らで、凛はアイドルに疎いせいか、ティンと来ないまま。エステルームに突撃したのも卯月と未央で、凛は外で待っているだけ。小日向美穂と小早川紗枝を見て「あの子たちもアイドル?」と問い掛けたのが象徴的です。この日を振り返れば、卯月と未央はいいことばかりだったでしょうが、凛は新しい知識と風景の連続だったはずです。

 「初仕事」をこなしてからいきなり舞い込んできた、次の大きな仕事。凛はどうやってその波に乗るのでしょうか。ライブのステージを目指す中で、何を感じ、何を掴むのか。そこに注目しながら観ていこうと思っています。

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